# 花 ． ページ20
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JM「ヒョン、あの虫って、」
HS「あぁ、アレはね、」
ゆっくりと走るトラックの荷台から危険だが少しだけ身を乗り出して、周りの風景をまるで初めて綺麗な宝石を見た幼子のような目で見渡すジミンさん。
そんなジミンさんの質問に優しく笑いながら答えるホビさんの横顔や楽しそうなジミンさんの顔は何とも絵になった。
思い出せば私がただ気にしていなかった、それとも気を逸らしていたのかは分からないが海に行く人達は皆、違いはあれど美形なのではないかと。
テヒョンさんも、グクも、ナムジュンさんも、ユンギさんも、ホビさんも、ソクジンさんも、ジミンさんも。
そう考えて何だか恐れ多くなっているとぽんぽん、と肩が優しく叩かれたので振り返るとジミンさんが「あの花、」と咲き乱れる美しい花を指差して笑った。
『…綺麗ですね、私あんな綺麗な花見た事ないです、』
JM「僕も、花を本当に久し振りに見たよ。ずっとあそこに居たから。Aちゃんと見れて嬉しいなぁ、」
そんなジミンさんの言葉に、「出会ったばかりなのに？」と笑って返せば「出会ったばっかでも嬉しいの」と駄々を捏ねる子供のように笑って私の肩をつついた。後々名前を何故知っているのかと聞いたら、「ヒョンが呼んでたから」と当然のように返されたのは別の話。
JM「名前、知ってる？あの花の。……な〜んか知ってるような、知らないような、」
『…私も分かりませんね、……ソクジンさんは、分かりますか？』
名前を聞かれても答えられず、自分とて何故か異常な程に名前が気になる。知って何か起こる訳でも無いのに無性に。唸っていても埒が明かないのですやすやと寝入っているホビさんを起こさないように少しだけ声を張り上げて、私欲の為だけに運転中のソクジンさんに迷惑も承知で聞いてみる事にした。
JN「ん？どうしたの、……あ〜、アレなんだったかな、スメラルド？だったかな。ごめんね、あんまり覚えてないや。」
優しいソクジンさんは、私の質問に笑って答えてくれる。本当は危ないがチラッと窓の外の花を見て頭から捻り出そうと低く唸り、やっと出てきた答えですらも合っているかが分からないと申し訳無さそうに謝られてしまった。
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作者名：YunA x他1人 | 作成日時：2022年10月5日 23時
