花屋の店主は実は公安警察

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廊下に布団を敷いて諸伏さんはスヤスヤと寝息をたてた。
常に神経を張り巡らせる環境に常に身を置いているから少しの物音でも起きてしまうんだろうな。

A「もうちょっと部屋よりに布団敷けばよかったな」

通ると起きちゃう、ミスった。
髭を生やしているけれど可愛い寝顔だな。苦労が多いに違いないと感じる程の酷いクマもある。
一応降谷さんにメールでも送っておこう。

数日でやっと覚えたメールをする時の3人だけの暗号文。
これから先、お互いを脅し合う事もあるのかもしれない。もしも誰かが、とくに私がヘマをして疑われたらそれこそ死を選ばなきゃならない。
工作員の時とはまるで違う。降谷さんは工作員歴を含めると私を先輩と言っていたが、この2人は工作員なんて直ぐ卒業してコードネームを貰っている。相当凄い人だし、射撃も上手いのだろう。

気がつくともうすぐ夜明けだ。
私は諸伏さんのスマホのウイルスチェックをして、昨日の出来事が記事になっていないか夜通し確認をしていた。
やはり記事になっていた。
[山奥で山火事発生。避難した小屋で25人の焼死体。]
焼いたのは後始末の工作員だろうが25人を1人で相手したのは諸伏さんの腕が確かということ。組織の仕事だからって警察を志した諸伏さんにとっては日本を守るとはいえかなりの苦痛だ。

気配を無くしそっとスマホを彼の近くに置くと急に腕を掴まれた。
いくら鍛えているといっても男性には敵わない。抱き枕状態になった。背中に感じる寝息が少し熱い。

諸伏「零、松田、班長、萩原…会いたいな」

ボソッと寝言を諸伏さんは呟いた。
いくら降谷さんが居ても孤独な戦いだから寂しいだろうな。松田さんの名前があったけどあの爆発物処理班の松田陣平さんだろう。
しばらく抱き枕状態に身を委ねていると目覚めて驚いたのか急に腕を後ろに固められ頭に銃を突き付けられた。

A「諸伏さん！落ち着いてください、私です！日苗です！」

寝惚けてやったとはいえ起きたら見知らぬ部屋で見慣れない女が隣にいる状況は誰でも驚く。
直ぐに我に返ってくれて解放されたけどとても気まずくなってしまった。

諸伏「ごめん…怖かったね」

朝ごはん食べられそうですか？
こくんと頷く諸伏さんを部屋まで移動させた私は簡単な朝ごはんをテーブルの上に並べた。

A「気にしないでください！熱とかは大丈夫そうですか？」

諸伏「…ああ」

テンション低い。休んでくれなさそうだな。
…そうだ！

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