恋占い、一回1000円。

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「うわ、家めっちゃきれーじゃん」


ぐるっとリビングを見渡してそう言う。


・・・家に春樹以外を招いたのは何年ぶりだろうか。



「・・・あんまジロジロ見ないで」


「はあーい！

あ、なにこれ可愛い、Aさんこーゆーの好きなの？」


テーブルの隣の棚にちょこんと座ったクマのぬいぐるみ。



「別に、友達がくれた花について来ただけだから！」


ぬいぐるみ集める趣味とかじゃないから！



「ってかジロジロ見ないでって言ったでしょう!?」


言ったそばからこれだ。

家に呼んだこと、早くも後悔。



「なーんだ、Aさんの趣味かと思ったのに」


「どういう意味よ？」


「クマ吉だけが私の癒し！とか思ってたらウケるなーって」


「思ってません」


私ってそんなに寂しいヤツに見える？



「・・・ってかクマ吉ってなによ」


「可愛くない？」


「・・・可愛い、かもしんないけど」


「でしょ!?」


なークマ吉ーとか言いながら頭を撫でる男。

いい歳して何してんだか。

やっぱり子供だ。



「あ、Aさん妬いちゃった？」


「は、」


・・・誰に？



「おいでー」


「なんでよ」


そういえば私が駆け寄るとでも？

手なんか広げちゃって、気持ち悪い。←



「え、頭撫でて欲しかったんじゃないの？」


「はあ!?」


「そんな嫌そーな顔しなくてもいーじゃん！」


「変なこと言ってんのはアンタでしょ」


なんで私がアンタなんかに頭撫でて欲しいと思うワケ？



「俺をよく見てAさん」


「・・・見たけど」


「俺、イケメンだよ？」


「・・・・・・。」


だから何だってんだ。

自分でイケメンとか言うイケメンはブスなんだよ。←



「今心の中で毒づいたでしょ」


「・・・・・・。」


「ホントAさんって面白いよね」


「どこが、」


至ってマジメですけど、私。



「彼氏にもそんな感じなの？」


「・・・・・・。」


・・・春樹には、こんなんじゃない。

一つ一つの言動に、もっと細心の注意を払ってる。



「もっと彼氏にも素直になればいーのに―」


「・・・・・・。」


「まーいけどね、俺が独り占めできるんならそれでも」


「は、」


「言ったっしょ？

俺は飾ってないAさんのこと好きだからさー？」


イケメンスマイルを浴びせかけてくる。



「どお、惚れた？」


「いいえ、全く。」


「えー！」


・・・でもまあちょっと、嬉しかったけどね。

ほんのちょっとだけ。





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