恋占い、一回1000円。

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「すみませーん。降りまーす」


帰宅ラッシュの人ごみにもみくちゃにされながら、

ようやくホームに降り立った。


特に大きな駅ではないし、

でもベットタウンというわけでもない。


だから降りる人も少ない。



「・・・ってかお腹すいた」


時刻は19時。


今日は特に残業もなく

スムーズに帰ってこれた方だけど。



やっぱり

うどんだけじゃお腹がもたなかったようだ。



「・・・うわ。」


改札を出てすぐ、

街の異変に気がついた。


今私の目の前に広がる光景は、

過疎化の進むこの街では到底起こりえないものだった。


・・・まあ実際に起きてるんだけど。



「最後尾はこちらでーす」


まるで、人気ラーメン店の前にできるような長蛇の列。

でもそんな店がこの街にあるはずがない。


最後尾に並ぶおばあさんから人を辿って先頭を探す。



「・・・・・・っ、」


サラリーマン、OL、学生、

さらにはお年寄りまでもを引き付けるほどの店は一体何なのか。


それを知った私の感情は、

限りなく嫌悪感に近かった。


湧き上がったものは抑えることが出来なくて、

先頭に向かってヒールを踏み出す。



「＿＿＿へー、そっかそっかー」


「そうなんです、この恋叶いますかね？」


「んーとね、・・・っておねーさんじゃん！」


やっほー！とか何とか言ってひらひら振るその手を

今すぐへし折ってやりたかった。





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