恋占い、一回1000円。

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「・・・Aさーん？」


「＿＿＿っ、

・・・ゴメンなんの話だっけ」


昔のことを考えると、

ついボーッとしてしまう。



「いや、別になんも喋ってないけど」


「・・・だったら良いじゃない」


放っておいてくれたら良かったのに。



「だって、せっかく二人で食べてるのに

Aさん無言でハンバーグ切り出すし」


「だって初対面の人に話すようなことないし」


「それだけならまだいいけどさー？

ハンバーグ刺したフォーク持ったまま

ボーッとして固まっちゃうんだよ？

フツー心配になるよ!?」


「・・・・・・。」


それは、そうかもしれない。



「彼氏のこと考えてたの？」


「・・・・・・。」


一般的にみて、春樹は私のなんなんだろう。

彼氏、なんて風には思ったことなかった。



「相当好きなんだね、その人のこと」


「・・・・・・。」


気づけばその人を思ってしまうってことは、

その人のことが好きってことになるんだろう。



「・・・教えてあげよっか」


「え？」


「俺がAさんのヒミツに気づいちゃった理由」


「・・・・・・。」


・・・聞きたいような、聞きたくないような。



「おねーさん、めっちゃ切ない顔してたんだー」


「え、」


「なんか、人生に妥協してるってゆーか、

別に夢とかないです、ってカンジの顔」


「・・・どんな顔よ」


そんなに顔に出るもんだろうか。



「私は永遠の2番!!ってカンジの顔」


「っ、」


笑いながら、かなり胸に刺さることを言う。



「そんな恋楽しいかなー」


不服そうに両肘をテーブルにつく。



「楽しくない恋だってある」


苦しくて、やめたくなるような恋。



「えー、絶対俺は耐えらんない」


「それはあなたが子供だから」


やめたくても、その思いが止められない。

そんな恋だってある。



「えーじゃあAさんは大人なの？」


「当たり前でしょ」


もう30なんだから。



「だって俺と4歳しか変わんないじゃん」


「その4年の間に一体どれだけのハプニングがあったと思ってんの」


私の方が経験値が高いに決まってる。



「じゃあ、大人ってなに？」


「そーゆーとこが子供なんだってば」


いちいち突っかかってくるとこ。



「大人になるっていうのは、

痛みに耐えられるようになることだと思う。」


悲しいこととか、辛いことに耐えられる忍耐力。

甘んじて受け入れる力。





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