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分かりやすく張り切るたかみなさんだが片腕が痛むのか、反対の手で押さえている。眉間にもシワが寄っているし、冷や汗もかいていた。ツバサさんが止めるのも無理はない。
それでも彼女は「私やれます、心配しないでください！」と言い放つ。ライブへの
「貴方の心配はしてないわ」
油断できないライブを想定しながら、立ってるだけで精一杯のたかみなさん。その状態で、00を観る最初で最後の機会となるかもしれないお客様の心に、一生残るパフォーマンスとステージを魅せられるか問われると黙ってしまった。
話は終わり。とでもいうように、ツバサさんは彼方さんを呼んだ。なんと、たかみなさんのアンダーとしてライブに参加しろとのこと。この提案には、隣にいた美森さんも衝撃を隠せないようで口を手で押さえていた。
「それとA。貴方は、戦闘チームに回ってくれる？」
「え………」
たかみなさんの代わりに彼方さんが遠征のステージに立つ。急展開にまだ驚いているというのに。この場で私の名前が呼ばれるわけが無いのに。
彼方さんとは真逆の知らせ。なんで。えっ、私なんか問題視されるような悪いことした！？ 待って待って心当たりない。
「カチューシャでも言った通り、DES軍に対抗するには戦闘メンバーもLASも足りない。ライブを成功させるため用心に越したことはないの」
「でもWOTAさんが協力を要請したって、」
「先程LAS部隊から連絡を受けました。今の貴方なら、メインライブの護衛やファンを守るために充分な戦力になると」
…………ああもう。なんで私、嬉しいと思っているんだろう。せっかくステージに立てるのに。今度は77期全員でライブができたかもしれないのに。
でも、誰かの役に立てる。目の前のそんな言葉は、何にも変え難い、私がずっと言われたかったことのひとつだ。能力を認められるタイミングだけは最悪だけど。
「わかり、ました」
ツ「………本当にいいのね？」
「はい。……勿論アンダーとしてライブができるのはすごく魅力的な話でした」
けれど、
「私が一秒でも長くDESを引き付けられたら、先輩たちはその分パフォーマンスに集中できる。一人でも多くの人に愛を届けられる。その手伝いができるなら今回はライブができなくても構いません」
大好きな00のために。
誰かの役に立てるならそれでもいい。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2022年10月21日 14時
