159# 最高のライブのために／�� ページ9
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地下都市を築き、気象管理システムによってすごしやすい気候が整備されている秋葉星とは大きな違いだ。着陸しても吹雪が収まる気配は見えない。白と灰色の景色。ライブ開始を予定している宵の頃には晴れるといいが…。
「凍原星の00包囲網は想定以上。地上でもかなり厳重な警戒態勢が敷かれているわ」
着陸後、全メンバーを集合させて今わかっている情報を共有する時間が設けられた。目を覚ましたたかみなさんは、優子さんに連れられて来た。
ツバサさんが言うに、DES軍の対空部隊に制空権を押さえられているらしい。そうなると雲の上にフライングゲットを待機させることが前提の強襲ライブはリスクが大きすぎる。先に言われたとおり、敵側は本気らしい。
「ツバサさん、それでもあたし達…！」
「分かっています。ライブを成功させる作戦を何としても見つけ出す。現地のWOTAも、力を貸してくれています」
『おまかせください！』
ここまできて中止なんてありえない。命を懸けて会いに行く。その準備ができている優子さんが思わず声を上げる。でも、それはツバサさんも同じだった。万端ではないけれどライブをしない選択はもうない。
WOTA側も各地の有志に協力を要請。先に現地入りしている人たちが、会場に最適な警備の薄いポイントを調査中とのこと。
00メンバーはライブのことだけ考えてくれ、という気遣いにも感じた。簡潔に報告をしたWOTAさんに、ツバサさんが目を合わせて「ありがとう」と柔らかく言う。すると……
「うおおおおぉ！！」
「まりこ様に感謝していただけるとは……！」
「じっ自分、今回命賭けます！ な、なんたって自分は……まりこ様の、」
喋っている途中だというのにツバサさんは通信を切った。
ていうか、「まりこ様」って。セレクションのときに顔を合わせたときから既視感あったけど……そうだよね？ ツバサさんって7代目まりこ様と顔が瓜二つだし。やっぱり本人だよなぁ。
「この場所でライブまで待機します。メインライブのメンバーはフォーメーションチェック。アンダーは着替えとメイクを先に済ませて、ウォーミングアップを始めておくように」
研「「「はい！」」」
「よし！ みんな、気合い入れていくよ！」
「たかみな、貴方は休んでいなさい」
「っ！」
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2022年10月21日 14時
