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連続でシャッターがきられる直前、キララの輝きが増した。カメラマンも周りのスタッフもみんなプロだ。上手く撮ってくれたんだろう。
「はーい、OK！ 次は
はあ、よかった。一発OK。安堵の息をつく。フレームから捌ける前に軽く礼。すると、改めて彼女が気になった。
声もだけど……初夏の柳の葉色を思わせる明るいイエローグリーンの髪の色。笑ったときの唇の形。あれぐらいの背丈。色つきのサングラスで顔は見えないけれど、私。この人を知っている。初めて会った感じがしない。
そして、この条件にはまる人物も一人しか知らない。
ひとまず襲名メンバーとの撮影が終わったら、同期たちと合流しようと思っていた……が。もし、予想があっていたらたかみなさんたちもあの人を知っているはずだ。
「たかみなさん、たかみなさん」
「ん？ どしたー？」
テントの下で椅子に座り、ドリンクを飲む彼女を呼ぶ。私のアクションには交代したこじはるさん、順番を待つ優子さんと佐江さんの視線を感じた。
……声を潜めて言うこと、でもないか。幸い撮影陣からの距離はあるから向こうには聞こえないだろう。私は普通の話し声で訊いてみる。
「人違い、だったらそれでいいんですけど」
「うん」
「あのカメラマンさん。5代目みぃちゃんにめちゃくちゃ似てるっていうか。正直本人じゃ、なんて……」
たかみなさんと優子さん、こじはるさん。三人は顔を見合わせる。佐江さんはキョロキョロと皆さんの顔を見て、出方を窺っている様子だ。
彼女は00が築いてきた歴史の中では、襲名を果たしているとはいえまだ加入したばかりのメンバーである。みぃちゃんはあっちゃんの前のセンターノヴァ。たかみなさんたちなら、馴染みが深い人もいるかもしれない。
「よく分かったね。あの人は元5代目峯岸みなみ、先代のみぃちゃんだよ」
「えっ、そうなの！？」
「佐江は気づいてなかったの〜？」
「あれ？ でもAぐらいの年の子なら13代目あっちゃんの方が有名じゃない？ みぃちゃんを知ってるなんて珍しいね」
即座に肯定したのは優子さん。佐江さんは訊ねた私より驚いていた。それに、こじはるさんが「ふふ」と笑ってみせる。
たかみなさんがそう思うのもわかる気はする。あっちゃんの輝きは歴代のセンターノヴァとは少し違う。圧倒的な程に。けれど私は少し違う。好きだけど、もっと好きな人がいた。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2022年10月21日 14時
