189# 輝く一番星 ページ39
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私の水着はトップとボトムに分かれた、いわゆるビキニ。トップは無地で、キャロット寄りの橙色。ボトムはハイウエストで、白地に赤いハイビスカスなどが入ったアロハ柄である。
ビキニと言えば紐で固定するものや、横長の帯状となったチューブトップ型が思い浮かぶ。だが私のはそのどちらでもない。トップは正直言って、胸元までの服みたいだ。
肩からは腕を細く見せるようなフリル。深いVネックで谷間は強調されて、背中もまあるく開いている。
普段から膝上のスカートやショートパンツは履くし、休みの日はオフショルの服を着たりはしているけれど。それとはまた違う露出だから少し恥ずかしい……。
「………すっご、」
撮影はもう慣れた。けれど今日はスタジオじゃない。外。しかも南国。精一杯の準備はしたつもり。しかし、こうして襲名メンバーが撮られる様子を見ていたら、いつも通りにできるかちょっと不安になってきた。
すーはー、すーはー。深呼吸を繰り返す。
「よし、次は噂の研究生行ってみようか！
「は〜い。るーりん、出番だよ〜！」
こじはるさんに呼ばれた。日除けのテントから、聞こえるように返事をする。彼女と一緒に撮影していたたかみなさんは、カメラマンの前で待機したままだ。私はどうやら彼女と撮られるらしい。
たかみなさんの、見えるところの傷は消えた。しかし、熱が出たり時折足が痛んだり。プロだから顔には出ないだろう。だが無理はしてほしくない。みんなが思っている。
先輩は勿論だし、スタッフさんも。待たせたらいけない。よし、と仕事モードに切り替えた。
「瑠璃川Aです。一部メンバーや、ファンには『るーりん』って呼ばれています。よろしくお願いします！」
「チャンるりね、OK！ シクヨロね〜ん！」
………あれ、この声。聞き覚えがある。
一瞬散漫しそうになった。が、すぐ意識を戻す。仕事中だ。考えるのは後でいい。ポーズを取るがここに来てキララが戻ってきた。輝きをまとって私の周りを飛び回る。嬉しいけれど、今は……
「すみません。離した方がいい……ですよね？」
「あー……、キララは照明だもん。チャンるりの輝きを余すところなく見てもらいたいんだね。気を取り直していくよ〜！」
「………」
「……いいよいいよ、そのままそのままぁーー！！」
パシャパシャッ
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2022年10月21日 14時
