ラピスラズリ④【0048】 (ページ17)

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「77期だ(是77期啊)!」

「えっ(唉)?」

「75期の美森に、76期の恵もいる(75期的美森和76期的恵也在)!」

さっきとは打って変わり、彼女たちはかまくらを出ると嬉しそうに駆け寄ってきた。この星に住む人の笑顔、初めて見た。

美森さんと恵さんはまだしも、私や智恵理だけじゃない。まだステージに立ったことがない他の77期生にもきゃあきゃあと、興奮している様子だった。

凪「わたしたちのこと？」

友「知っててくれてるの！？」

「うん(嗯)、当然(當然)!｣

凪「え？」

どちらも感激して声を上げるのに言葉の壁に阻まれる。すると、赤いフードの女の子は少し昔のスマホを突き出す。

その場で翻訳されて互いが何を言っているのか分かるようになる機能がある。私たちは当たり前のように使っているけれど、改めてその利便性に心の中で感謝した。

彼女は「これ！」と、雪かきして雪の山になっていた斜面にとある動画を映す。『真夏のSounds good!』と共に流れるのは、私たちの紹介映像だ。

「嬉しい！ 00のライブ、中止になっちゃったって聞いてたから…！」

「こうして会えるなんて……夢みたい！！」

頬が赤いのは寒いせいじゃない。この子たちは00を愛してくれている。完全に芸能が禁止されていても、DESに見張られていても。人の心を惑わすものじゃない、むしろ豊かにするものだと幼くても知ってくれている。

ツバサさんが模索していることを言うわけにはいかない。けれど、四人ともライブに来てくれるはずだったらしい。

「ママにいっぱいお願いした」「お小遣いも貯めた」「わたしもたくさんお手伝いした」……。口々に言うこの子たちを見ていたら益々ライブを中止するのはやはりダメだと思えてくる。

「よーしっ！」

「……？」

「ジャンジャジャンジャジャン×3……」

凪沙は何かを思いついたように雪の山に登る。

辺りを支配する音楽。『会いたかった』を踊り出した。

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■訳について余談
ツンドラは口シア連邦領内のシベリア北部の環境などを指します。また、最初に77期生と気づいた女の子(アリョーナ)の声優は元HKT48の村重杏奈さん。おそらく凍原星の言語はロシア語がモデルになっていると思います。

まあしかし。端末に露語を追加してないことと作者自身も露語は分からないので、表記は雰囲気でなんとなく理解できそうな中国語にしています。訳も載せたのでそんなに言うことでもないかもしれませんが、一応。