099# 実力の順番 ページ49
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言伝にひとつ加えるなら、朝食後にリビングに集合。智恵理を何とか起こしたとき、楚方を探しに来た彼方さんがこの部屋に来てそう言われる。
まず着替え。そして洗面と食事などを経てから、私たちは部屋毎にその場へ向かった。中へ入ると、いつものメンバーとは少し違うらしい。
何度か見かけてはいるけれど、こうして改めて顔を合わせるのは初めてかもしれない。奥のソファとその周辺には第76期研究生の面々もいた。
「……………」
「……、………？」
ふと、その中のひとりと目が合う。彼女は私を見るなり、不満そうにフンっと顔を背けた。なんか知らないけど会話する前から私は嫌われてんのか。
さほど気にせず室内での位置を確保すると、ツバサさんが到着した。部屋を見渡して全員いるのを確認。TVの脇に立って話し始めた。
「先日、
ほう。その話が私たちに何の関係があるんだろう。研究生を全員招集した理由。余程大事な話がこの後にでも出るのだろうか。
「……ただ、当日の劇場公演も休む訳にはいきません。そこで、アンダー制を改定することにしました」
「アンダー？」
「あの、」
劇場公演に襲名数人が不在。なぜそこで【アンダー】が話題になったのか。私も含めみんな、結びついていないようだ。その気持ちを代弁するように、楚方が言葉を繰り返した。
というのも、私たちが知るアンダーとは。戦闘班に回った襲名メンバーのポジションを、他のメンバーが担当すること。そう教えられていたからだ。
彼方さんは、自分の腕を組む楚方を鬱陶しそうに美森さんの方へ追いやり控えめに挙手。ツバサさんに確認するように尋ねた。
「ええ。でも、過去のAKBではアンダーの持つ意味合いは少し違っていて。メンバーが公演を休む場合に、他のメンバーや研究生がそのポジションを担当する。それをアンダーと呼んでいたの」
「えっ！」
「研究生が！？」
00において、研究生は襲名するまでお披露目以外でステージに立つ機会は滅多にない。なのにオリジナルは違うとはっきり言われて途端にこの場はざわめきだす。
芸能禁止の星でのライブは危険が伴う。そのため「今までは戦闘訓練を十分に積んだ精鋭しかステージに立つことが出来なかった」とツバサさんは更に続ける。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2022年7月1日 14時
