37# 静かだけど熱い夜 ページ37
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ただ空を眺めるのは退屈だ。秋葉星の空は気象管理システムで人々が安心できる色を移しているに過ぎない。そういう意味では物足りなさを感じる。
明日のレッスンの振りでも確認しとくか。携帯で曲を再生して身体を動かしていれば、その間は何も考えなくていいし頭もスッキリするだろう。
「お、明日からなのに熱心だね」
「………どうして会っちゃうんですかね。私たち」
ここまで来たら神様の悪戯だ。三周ぐらいしたところで運がいいのが悪いのか、たかみなさんが通りかかる。曲を停止してタオルで汗を拭った。
たかみなさん、寮ではジャージなのか。TシャツはIN派なんですね。反転のハートに白地でLOVEのプリント。地味にダサいけど言わないでおく。
「合格おめでとう」
「ありがとうございます。たかみなさんも、今日の劇場公演おつかれさまでした」
「そっか、見てたんだっけ」
柱を背に腰を下ろす私をたかみなさんが見下ろしていた。会話がふと途切れる。あの夜、話をしてから自分がちょっとおかしいことは気づいている。
みんなの前では『女の子』でいれるのに、たかみなさんの前では『ひとりの人間』って感じなんだ。客観的に見たら、私って結構無愛想だし。学校に通っていたときも友達と言える友達はそんなにいなかった。
「同期の一人と、75期の彼方さんが姉妹らしくて」
「えっ、そうなの？」
「私たちも驚きましたよ〜。……あの二人見てると脳裏によぎるっていうか。妹と仲良くないんで、色々です」
「そうかそうか」
たかみなさんは特に深く尋ねることはしない。ただ話を聴いていてくれる。
夜でもこんなに光がある星なのに、私の中はどこか寂しい。曲をかけてもいいかと聞いたらゴーサインが出たから、ピピピとプレイリストを開いてある曲名をタップ。
「『風は吹いている』、か」
「何か？」
「いいじゃん、前向きな意志を感じるよ。かつて人類が地球に住んでいた頃、未曾有の大災害が起きてね。この曲は復興の応援ソングとしてリリースされたものなんだ」
絶望の中にも光がある。見る影もない大地に、新しい世界を。
私にとっての光は00だった。家族のカタチ、それは思い描いた理想とはかけ離れている。私はこの新しい場所で自分の居場所を作る。必ず。
「アイドルだから、ステージでは笑わないといけない。ファンに愛を届けるためにね。でも寮にいるとき……難しいならウチでもいい。本当のAでいていいんだよ」
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ひな(プロフ) - 東雲れーたさん» これから続編に向かうところです！！とても好きです😭✨ 全部が全部脳内で有声再生されるくらい好きなのでこんな素敵な作品に出会えて嬉しいです....！ (2月2日 4時) (
レス) @page50 id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
東雲れーた(プロフ) - ひなさん» 当作品を読んでいただいてありがとうございます！ 放映当時のワクワクはもちろん、当作品ならではの展開もまとめて楽しんでいただけたら幸いです。 (1月31日 5時) (レス) id: 35709d1cf1 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 00の作品に出会えたことがすごく嬉しいです...小さい頃から大好きなアニメだったので感慨深い.... (1月30日 22時) (レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2022年6月30日 15時
