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こういうとき私服の学校で良かったなと思う。
私はこれから家出をする。駅から列車に乗り、宇宙船に乗り換えてAKB0048のオーディションを受けに行く。夜明け前に出発を決めた。さすがにいつもの鞄じゃないから、何か言われるかもしれないし。
それにしても……、あの人の無関心にはまいる。都合はいいけれど娘の変化に気づかないものかね。
手放すのが惜しいものは父の実家にとりあえず送った。もう私の部屋にはベッドや机、クローゼットなどの家具がいつも通り配置されているが、蓋を開ければ中身は空だ。人が「いた」形跡のみ。
「じゃあ行くか、」
あの人からひとつだけ言われていたこと。迷惑をかけるな。つまり「お金がかかることはするな」。家で大人しく勉強だけしていろってこと。意見もせずに。
けれど、本当は。ダンスや運動は嫌いじゃないし。むしろ好き。スカッとするから。それに、00の歌があったから。私は腐らずにいられた。
荷物はふたつ。リュックを背負い、入り切らなかったものは手持ちの大きいものに入れた。それを窓から外に放り投げる。
そして、予め持ち込んでいた普段使うスニーカーを履く。窓枠に足をかけて………飛び降りた。
「………よし、着地成功っと」
どうしても辛いときは、こうしてよく外に出たから慣れっこだ。ちなみに戻るときは木を登る。最初の頃は落ちたらどうしようとか思ったけど、歳が増えるごとにそんなものはどこかへ行った。家族はこのことも知らない。
今後、何か変わるだろうか。妹が、母の全部の受け皿にならなきゃいけないことは少し同情する。けれど……
「なりたくて、姉になったわけじゃない」
姉らしさ、とか。そんなの知らない。私の人生は私のものだ。押し付けられたくない。私を人形扱いする奴らのもとで生きるなんて真っ平だ。
「………産んでくれてありがとう。さようなら」
それでも感謝はある。ひとつだけ。だって、どんなに寂しくても。この世に生を受けていなきゃ00に出会えなかったから。それだけはありがたいと思ってる。
私は、鞄の土埃を落としてから駅の方角へ小走りで向かう。
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次話からキャラクターが登場するので、余りのスペースに簡単なプロフィールを載せていきます。もし名前が被る方は変更した方がいいかもです。
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ひな(プロフ) - 東雲れーたさん» これから続編に向かうところです！！とても好きです😭✨ 全部が全部脳内で有声再生されるくらい好きなのでこんな素敵な作品に出会えて嬉しいです....！ (2月2日 4時) (
レス) @page50 id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
東雲れーた(プロフ) - ひなさん» 当作品を読んでいただいてありがとうございます！ 放映当時のワクワクはもちろん、当作品ならではの展開もまとめて楽しんでいただけたら幸いです。 (1月31日 5時) (レス) id: 35709d1cf1 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 00の作品に出会えたことがすごく嬉しいです...小さい頃から大好きなアニメだったので感慨深い.... (1月30日 22時) (レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2022年6月30日 15時
