86 ページ36
上司「さてと、休憩かな」
「一服に出られますか？」
上司「いや、Aさんがね。全然食べてないんじゃない？」
「・・・お腹が鳴ったの、聞こえました？」
上司「ははは(笑)ほら、鳴り響く前に行っておいで」
「すみません、それでは少し失礼致します」
傍に付いての挨拶回りもひと段落。
細かい仕事はまだ残っているけれど、飲めないんだからせめて美味しい食事は味わいたい。
笑顔を振りまきつつ横目で狙ってた、一口オードブルやフィンガーサラダ、サンドイッチもお皿に乗せて会場の隅の方へ歩き出せば、何処からかやって来たサラに右側、ジョンデに左側を挟まれて一緒に壁側に向かう。
JD「お疲れ。食べるか？」
「あー、これ気になってたやつ。ありがと」
SR「とりあえず一杯いけば？Aの好きなシャンパンあるよ」
「今飲んだら止まらないもん」
JD「だろうなぁ〜(笑)」
笑いながら会場を見渡すジョンデに倣って私も目を向ければ、あっちにテテ、そっちにミンソク、奥の方にミンジュン。
同じ場所に寝た事ある男が歴代集まるなんて。
なんの試練だよ。←
SR「‘人類、皆兄弟’ってか♡」←
JD「A！お前すげぇな！(笑)」
「笑えない・・・、」
うんざりしながらサンドイッチにかぶりつく。
SR「知らなかったの？」
「当たり前でしょ、なんか急遽代理になったみたい。わざわざ先方に確認したわ」
JD「大丈夫か〜、A〜」
「ん、まぁね。これだけ人もいるし、これ以上話さないで済むでしょ」
てか、何を話すっていうのよ。
久しぶりだなんてよく言う。あー、思い出したら段々ムカついてきた。
「早く終わらないかな。飲み散らかしたい」
SR「いくらでも付き合っちゃう♡」
JD「俺も俺も♡」
そういって三人で顔を見合わせて、カチンとグラスを合わせる。
JD「ん、見ろよ。あのテテ、すげぇ落ち着きない(笑)」
SR「あのバカ。Aが気になって仕方ないのよ。でもあの人、話し出したら長いから抜けれないわ」
炭酸水を飲み干してテテを見れば、確かにチラチラとこっちを気にしてるけど、お相手のおば様に捕まってどうやらこちらには来れないっぽい。
パチっと目が合ったからニコっと笑って、口パクで後でね、と言ってみれば気付いたテテはぱぁぁっと目が輝いちゃって。
んー、可愛いやつめ。
そうだよ、昔の男なんか関係ない。どうでもいいじゃない。
テテがいい。
今の私には、テテしかいらないもんね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2640人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みあも(プロフ) - こんにちは！クズ元カレと再会したシーンでは思わず泣いてしまいました。テテの包み込む優しさに涙が(;;)本当に素敵で大好きな作品です。この作品に出会えてよかったです。ありがとうございました！ (2021年6月7日 9時) (
レス) id: 2123f5cbc8 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 最高でした。所々、私自身も涙を流してしまいました。。。 感動的で時に少しHな部分もあってすごく楽しめました。ありがとうございました。 (2021年3月30日 17時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)
りーりー - 早く結ばれろって毒付いてたけど(すみませーんw)好きな人＝付き合いたい人とは違うって思いました。← (2019年10月5日 7時) (レス) id: 37e0abcb10 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 長くなってしまいましたがこんな素晴らしい作品を読ませていただいて心から感謝します。これからのアウラ様の幸せを願っています！ (2019年4月11日 23時) (レス) id: 65b302e09c (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 共感できるし、何より自分も子供好きだからこそ辛い事とかも…そんな寂しさから何となく男の人を求めてしまうのも、軽い関係だけで終わらせたいと思うのも。何だか自分語りみたいになってしまって申し訳ないのですが夜にギャン泣きしてしまうくらいには感動したので (2019年4月11日 23時) (レス) id: 65b302e09c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アウラ
| 作成日時：2017年11月11日 21時
