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涙を拭いて,俺たちは教室に戻った。

だいぶ寝てから時間がたったようで,もうあとは最後の授業を残すだけ。

まだ休み時間でざわついている教室の扉を開けると…。


一気にクラス中の視線が集まった。

「……え。」

俺は突然のことに固まってしまう。


そんなクラスの中心で話してるのは,えと…。松本…くん。

俺の顔を見て,面白そうな,皮肉そうな…。そんな笑い方をして話してる。

「こいつな。中学校の頃は根暗で,ガリ勉でー。そうそう,父さん亡くしたんだってよ。」

「えー。マジか。それ,なんも取り柄のない,地味なやつの代表じゃん!」


ケラケラと笑い声が教室中に響く…。

「な……で…。」

驚きのあまり口から出たのは掠れた声で…。

「翔くん……。」


知った事実にこちらに顔を向ける智くんの声もあまり耳に入ってこない。

「うちのいとこ,前櫻井と一緒の中学だったわけ。そいつから話聞いたんだけどさ。なんか父さんの形見のミサンガ…?持ってるらしいよ。」


そう,誰にも言ったことがないのは…。

父さんの形見のこと___。

ポケットの中のミサンガをぎゅーって握りしめた。


「ミサンガずーっと見つめてよ。気持ちわりぃんだけど…。」

笑い声が溢れて。

俺はなんだか泣きそうになった。忘れたかったあの日の出来事がまた鮮明のよみがえってきて。


「………ッ!」

気づけば走り出していた。

学校なんて飛び出して。

「翔くん!」


智くんの声が聞こえたけど。

__ごめん今は1人になりたい__

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わかぶー(プロフ) - さたむー。さん» うん,ありがとう♪ (2014年10月20日 23時) (レス) id: 10c405215e (このIDを非表示/違反報告)
さたむー。(プロフ) - わかぶーさん» ガンバです! (2014年10月20日 23時) (レス) id: a59d1385fa (このIDを非表示/違反報告)
わかぶー(プロフ) - さたむー。さん» 今テスト勉強してるからねぇ,テスト終わればいいんだけど,明日明後日頑張ってきます♪ (2014年10月20日 23時) (レス) id: 10c405215e (このIDを非表示/違反報告)
さたむー。(プロフ) - わかぶーさん» わたしゃも亀夫だお! (2014年10月20日 22時) (レス) id: a59d1385fa (このIDを非表示/違反報告)
わかぶー(プロフ) - 田中 サタムーさん» うわ,近いっ。てか私最近更新がめっちゃ亀だ。亀以下だ。どーしよっ。 (2014年10月20日 21時) (レス) id: 10c405215e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかぶー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=0036264675  
作成日時:2014年10月17日 22時

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