第百七十一話「槍の中」 ページ11
A「……前と、変わっていない」
あたりにそびえたつ、緑の木々。
人目に付きにくいこの場所は、私が目をさまし、『私』が生まれた場所だ。
先ほどまで動かなかった体も、しだいに歩けるほどまでになっていき、
刀を帯刀して、暗い道を歩く。
土方「人気がねぇな…」
沖田「本当に、此処なの？」
その問いに、私は少しだけ言葉を濁してから
A「うん」
と、うなずいた。
確かに、理由という理由もない。
ただ、確信持って言えるのだ。
今の風間なら、この場所を選ぶはずだ。と
そう思った束の間、
ひゅん、と、
新選組の束に、槍がかすめた。
その槍には、
気づかなかった者もいた。
しかし
原田「……くるぞ！伏せろ！！」
その、原田さんの合図の直後、
ぶわっと、無数の矢がこちらに向かって放たれる。
相手は見えない。
ただ、森の奥から、無数の矢が向かってくるだけ。
土方「チッ…この森の仕組みをわかってやがる」
A「……応戦する」
このままでは屋敷にたどり着けない。
そう確信した私は、刀に手をかける。
しかし、
ぽんっ
A「…っ」
急に頭に何かか落ちてきて、
私は思わず息をのんだ。
反射的に頭上を見上げれば、
少しだけ冷や汗をかいた原田さんが、笑っている。
原田「馬鹿、お前は行くんだよ」
そう言って、
原田さんは槍を取り出した。
A「……え」
まさか、と頭の中に文字が浮かぶ。
原田「此処は任せろ」
温かい笑みだ、と思ったのは何度目だっただろうか。
私は泣きそうになりながらも、首を振った。
A「駄目、敵の人数からして、此処は…」
全員で応戦するべき、
と続けようとした時、
？？「なら、俺らも戦ってやるよ」
？２「Aの為ならば、お手伝いいたしましょう。」
私たちの背後から現れた、
白い髪の二人…。
その二人は私の言葉をさえぎって、
私の瞳をしっかりと見た。
A「…不知火君、天霧君…」
不知火「それなら心配はいらねぇだろ、行って来い」
天霧「風間をお願いします。」
原田「行ってくる、絶対戻るからな」
それぞれ、短い言葉を残した後、
原田さん、不知火君、天霧君
三人は、槍の中へと消えていった。
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前田のさぶ(プロフ) - 初めてこんなに感動しました、とても切なくていいお話で涙が止まらなかったです。夢小説でこんなに感動したのは数年で初めてでした本当にありがとうございます！🥲お疲れ様です😌😌 (2022年8月31日 11時) (
レス) @page36 id: aeb32198b3 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 最高から一気に読ませていただきました。このような最高な作品を作ってくれてありがとうございます！本当に涙が止まりませんでした。本当にありがとうございます！何度でも読み返していきます。 (2021年7月16日 4時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - 最高でした…。 (2021年3月18日 22時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
彗羽(プロフ) - 泣きました。とてもしあわせな作品をありがとうございます。アニメにそうのではなく、オリジナルの展開がたくさんあって、本当に楽しく読ませていただきました。また、読みます。何度でも読みたくなるお話でした。 (2018年12月16日 13時) (レス) id: 3386061a83 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 最初から読ませていただきました！ほんとうに素晴らしい作品です！！ありがとうございました！ (2018年8月9日 17時) (レス) id: 534d1c515e (このIDを非表示/違反報告)
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