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「俺からは、これだ」
セベクくんの隣に立つシルバーさんが私に差し出したのは、可愛くラッピングされた赤いマフラー。
私がそれを受け取ると、シルバーさんは嬉しそうに笑った。
「最近寒くなってきているからな。風邪を引かないようにと思って」
『ありがとうございます。……開けても良いですか?』
「あぁ」
シルバーさんの許可を取って、私はラッピングを丁寧に開ける。
出てきたマフラーはかなり長く、二人くらいなら余裕で巻けそうであった。試しに巻いてみると、もこもこしていて凄く暖かい。
これからの季節に、ぴったりな暖かさだった。
首にぐるぐると巻いていると、後ろからヴィルさんがマフラーの端を取る。
『……?』
「大人しく前向いてなさい」
気になって後ろを向こうとすると、そう顔を戻された。それに返事をし、しばらくの間待つことに。
数分後、私の後ろにはマフラーで作られたリボンが。
『……可愛い』
「でしょう」
当たり前よ、とヴィルさんが得意げに笑う。
シルバーさんも「似合うな」と目を細めた。
「では次は私たちですね。……クルーウェル先生からいきますか?」
「そうだな。……俺からはこれだ」
先生たちが前に出て、私を見つめる。
クルーウェルさんが私に差し出したのは、高級そうな箱だった。……大人だもんね。
受け取って、ゆっくりと中を開ける。中に入っていたのは、小さめの鞄だった。
と言っても、ただの鞄ではなく。黒色で、チェーンがついた大人っぽいもの。
『……大人っぽい、ですね』
「だろう?」
私が率直な意見を口にすると、クルーウェルさんは少し得意げに笑った。
……でも、大人っぽすぎて私には似合わないんじゃ。
そうクルーウェルさんを見ると、悪戯っぽく笑って私の顎を持ち上げる。灰色の瞳が、真っ直ぐにぶつかった。
「それに見合う良い女になれと言うことだ」
『良い女……、頑張ります』
クルーウェルさんを見つめながら頷けば、「good girl」と頭をぽんぽんとされた。
かと思えば、クルーウェルさんは再び悪戯っぽく笑って。
「そうしたら、俺から正式にデートの誘いを申し込もう」
『でっ、デート……ですか?』
あぁ、と笑って。クルーウェルさんは私の手を取る。そこに、慣れた動きで唇を落とした。
クルーウェルさんが触れた場所が、どんどん熱くなっていくのが分かる。
「頑張れよ?」
『……はい』
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さ - 夢主に恋愛感情持ってるやついるの草ァ…カリムはともかくレオナとか絶対分かっててあげてるだろ。 (2022年6月6日 23時) (レス) @page17 id: 745f3a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
麗亜 - 犬って女の子も、good booyって言うらしいです。 (2022年1月10日 17時) (レス) @page18 id: 436e3086c5 (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - 誕生日会……最高すぎません?……素晴らしすぎて終始微笑んでるんですけど。ほかの作品も順に見てるんですが、主様。天才脳をお持ちでは無いですか?最高楽しい幸せ癒しです! (2020年11月28日 12時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)
零夜(プロフ) - 鬱アニメ、某魔法少女!?!?まどマギですか!?!?!(覚えてない) (2020年11月27日 0時) (レス) id: be63cd896a (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - チーズ鍋さん» ありがとうございます!! (2020年11月22日 23時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ鍋 | 作成日時:2020年10月23日 0時