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「僕からはこちらを。気に入っていただけると嬉しいのですが」
ジェイドさんが「開けてみてください」と笑ったので、頷いて箱に手を伸ばす。
丁寧に開け、中を見ると。可愛らしい靴が入っていた。
フロイドさんとは違い、厚底じゃなくてぺたんとした靴。
底の部分がピンクで、その上にもう一つピンクの線。そこ以外は白だけど、いくつかピンクのハートが散りばめられている。
『……っ』
「良かった、気に入ってもらえたようですね。……では、僕ともまた遊びに行きましょう」
「ジェイド、俺の真似しないでよ」
「おや、真似?何のことでしょうか」
その可愛さに目を輝かせていたのか、ジェイドさんが愛おしいものでも見るように目を細める。
弧を描いた口が、言葉を紡いだ。それに頬を膨らませ、フロイドさんが私の肩を抱く。
「シロイルカちゃんは俺と遊びに行くんだもんねー?」
「ふふっ、僕とも遊びに行きますよね?」
『えっ、あ、え……』
フロイドさんが私の肩に顎を置いて、子どものようにはしゃいだ声を出す。
それに対抗するように、ジェイドさんが私の腰に手を回した。……え?
私が戸惑った声を上げれば、後ろからアズールさんが二人の頭を叩く。ぱちん、と小気味良い音がした。
「二人とも、やめなさい。Aさんが困っているでしょう。……Aさん、これは僕からのプレゼントです」
『……ボトル……?』
「えぇ。ステンレス製ですから、冷たいお茶も温かいコーヒーも入れることが出来ますよ」
『!……A・レイブンって入ってる』
アズールさんが渡してくれたのは、ステンレス製のボトル。蓋が木目調で、ボトル自体の色は白。
そこに、私の名前が刻まれていた。……世界に一つだけ、って感じがして嬉しい。
私の様子に、アズールさんは満足げに頷いた。
「誕生日、おめでとうございます。Aさん」
『ありがとうございます。アズールさん、ジェイドさん。フロイドさん』
受け取ったプレゼントを抱えながら頭を下げると、プレゼントをフロイドさんがひょいと持ち上げる。
私が首を傾げると、フロイドさんは優しく笑った。
「まだいっぱいプレゼント貰うでしょ?これ、向こうに置いといてあげる」
『ありがとうございます!』
フロイドさんの隣で、アズールさんが「お前、そういう気遣い出来たんですね」と呟いた。
「あはっ、締める」と聞こえたのは気のせいだろう。
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さ - 夢主に恋愛感情持ってるやついるの草ァ…カリムはともかくレオナとか絶対分かっててあげてるだろ。 (2022年6月6日 23時) (レス) @page17 id: 745f3a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
麗亜 - 犬って女の子も、good booyって言うらしいです。 (2022年1月10日 17時) (レス) @page18 id: 436e3086c5 (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - 誕生日会……最高すぎません?……素晴らしすぎて終始微笑んでるんですけど。ほかの作品も順に見てるんですが、主様。天才脳をお持ちでは無いですか?最高楽しい幸せ癒しです! (2020年11月28日 12時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)
零夜(プロフ) - 鬱アニメ、某魔法少女!?!?まどマギですか!?!?!(覚えてない) (2020年11月27日 0時) (レス) id: be63cd896a (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - チーズ鍋さん» ありがとうございます!! (2020年11月22日 23時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ鍋 | 作成日時:2020年10月23日 0時