【 歌い手 】保健室 。【 センラ 】

14 日目 ページ16

･



初めて 真っ暗な中を先生に送ってもらい ､ 自室に入る 。




少し前に気付いた事だけど ､ 先生は 私の部屋に電気がつくまで外で待ってくれていた 。



それを知ってから 私は部屋に帰ると1番に電気をつけるようにした 。





鞄の中から 綺麗に畳んだ白衣を取り出して ､ ハンガーに掛ける 。




先生の白衣 。もちろん嬉しかった 。だけど 。




あの時の ､ 先生の顔 …



寂しそうなその顔の理由を 私に聞く勇気はなかった 。




先生は 私のためにいろいろしてくれているけれど ､ 私は 何もできない 。




｢ … ごはんつくろ ｣



先生にもちゃんと食べろ ､ って言われたし 。




そっと真っ白くて綺麗なそれを撫でてから キッチンへと向かった 。






…… のは ､ いいものの 。





｢ … う ､ 嘘でしょ ｣



冷蔵庫 ､ 炊飯器 ､ どの棚も 中身は空っぽ ｡




忘れてた 。


明日買おうって 昨日 全部使っちゃったんだ …




元々 買い置きなんてのをしない家だったため ､ 定期的に買い物に行かないと行けなかった 。




仕方ない … 背に腹はかえられない 。




｢ … よし ｣



財布とスマホだけを手に取る 。



現在 8時

確か 近くのスーパーは9時までだ




…… 少しの間 勇気をください




先程 もらったばかりの白衣をそっと握ってから外へ出た 。


┈┈┈┈┈


人通りは少なく ､ セルフレジのスーパーであるため ､ 生憎 人と話さなくて済んだ 。




買ったのはカップ麺とかだけど ､ これで 3日くらいはもつだろう 。




ふいに顔に水滴が当たる 。


それに気付いた頃には もうかなり強めの雨が降っていた 。



傘 … ないって ……



? ｢ おねーさん 大丈夫 ? ｣



突然 雨が止んだ ､ と思ったら目の前にいる男の人が傘の中に私を入れていた 。




…… だ ､ れ ?



｢ ぁ …… や ､ だ … ｣



目の前の人が放つ 明らかに危険なオーラに ､ 足がすくんで動けなくなる 。




男 ｢ 震えてるよ ? ほら ､ おいで … ｣



手を掴まれるも ､ 振り払う力なんてない 。




こわい

たすけて



センラ先生 …





? ｢ … おっさん なにしとん ｣




聞き慣れた ､ だけど 先生ではない声 ｡




? ｢ 離せや ､ この子は俺のもんや ｣



男 ｢ ﾁｯ … ｣



男の人は 私の手を離して走り去った 。




力が抜けて 座り込む … 前に 支えられる 。




? ｢ 大丈夫やった !? ｣




どうして




｢ さかた ､ く …… ? ｣

15 日目→←13 日目

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す