【オリジナル】疫病神【ＢL】 (ページ19)

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15 約束の時間ページ19

瀬戸目線

『明日、放課後に1-7へ来て欲しい。その後、パソコン部に行こう。もちろん、入部届け忘れないようにな。』

これは、昨日……つまり、読者にとって14話の夜のに来たメールだ。
差出人はもちろん神埼君。
彼の中で考えが固まったのだろう。
ちなみに、1-7は空き教室だ。

瀬戸｢………｣

僕の現在地は1-7。
神埼君待ちである。

ｶﾞﾗﾗ

神埼｢おっす、待った？｣
瀬戸｢待った｣

やっと来た。
僕は10分前には来ていた。

神埼｢さて、話しますか｣

そう言うと、彼はドア窓から見えない位置に立ち、僕に手招きした。
黙って従う。

神埼｢単刀直入に言うぞ｣
瀬戸｢どうぞ｣

彼は深呼吸して、言った。
さらっと。

神埼｢俺は………

吸血鬼だ｣

瀬戸｢吸血鬼………｣

やはり。
なんとなくわかっていた。
あの姿を見た時から。
赤い目。
少し赤い髪。
尖った八重歯。
まさに、吸血鬼だ。

瀬戸｢確認するけど｣
神埼｢おう｣
瀬戸｢血を、吸うんだよね｣
神埼｢おう｣

あってた。

神埼｢そして、俺の正体を知ったお前に、頼みがあるんだ｣
瀬戸｢頼み？｣
神埼｢お前にしか頼めない｣
彼はまた、深呼吸をする。
そして、頼みを口にする。

神埼｢俺に吸血される…………

生贄に、なって欲しい｣

瀬戸｢生贄……！？｣

～混乱しています。しばらくお待ち下さい～

はっ！
も、戻って来た！
危ない。
このまま数分ボーッとするところだった。

瀬戸｢質問｣
神埼｢どうぞ｣
瀬戸｢長い間吸血しないとどうなるの？｣
神埼｢正気を失い暴走し、最悪の場合人を殺す｣
瀬戸｢それは大変だ｣

そうか。
それなら、僕が………。

神埼｢週一で十分足りる。だから頼む！｣
瀬戸｢……分かった｣

僕も深呼吸して、言った。

瀬戸｢僕が、生贄になるよ。神埼君、困ってるんでしょ？｣
神埼｢……！ありがとう！｣

神埼君はそう言って、頭を下げた。