家政婦から嫁になります【灰谷蘭】

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『……蘭さん…っ…』


蘭「A…、三途もそこにいる？」


春「…………。」


『一緒にいる……春千夜、離してってば…//』


春「……やだ。」



やだ、じゃない！！笑

春千夜は私を抱きしめたまま。
私の髪を指に絡めてくるくるしながら遊んでる。



蘭「お前ら何してた…？」


春「…試着してただけ。」


蘭「…じゃあ早く出てこいよ。」


春「……A、服着せてやる。」


『…ゃ……、春千夜…、っ…どこ触って…//』


春「ほら…掴まれって……脚上げろ…」


『…ん……//』




蘭「……………。」




＿＿＿＿バンッッ！！！！！！！！



いきなり銃声が聞こえたかと思うと、
試着室のドアに銃弾がめり込んでいる。

蘭さんから中は見えてないはずなのに、
まるで春千夜を狙ったかのような場所にヒットしてる。



春「……るっせぇなぁ…！！」


蘭「…あ？テメェが早く出てこねーからだろ。」


店員「三途様…灰谷様…ここで争われるのはちょっと…」


店員「灰谷様……銃はしまってください！」


蘭「アイツ殺さねぇと気ぃ済まねー…。」




＿＿＿バンッッ！！！！！！！！！！！




2発目は試着室のドアの鍵の部分に当たって
鍵が壊れた。

銃の音に反応したのか、店内に警報が鳴り響く。



店員「こっ、困ります…！」


蘭「弁償する。…今から俺ら消えるから。
警察にはうまいこと言っといて。」


店員「…かしこまりました。」


蘭「で、三途だけサツに突き出して。
後からアイツの居場所教えるし、謝礼も払う。」


店員「……かしこまりました。」


春「…ふざけんな。A、帰んぞ。」



春千夜は私に服を着せると試着室のドアを開けた。



蘭「…お前と帰るわけねーだろ。」


『……蘭さん…っ』



私は蘭さんに駆け寄って抱きついたけけど、
抱きしめ返してはくれなかった。



蘭「……話は後で聞く。」


『…うん…、』


春「……A。」


『………？』


春「お前が欲しがってたやつは買っとく。
あと…これは返す。」



春千夜が私に何かを投げた。

投げられたものを受け取ると、
さっき春千夜に外された婚約指輪だった。



春「……楽しかった。また誘う。」



春千夜は笑ってそう言った。
何となく、その笑顔が切なくも見えた。


けどすぐに背中を向けて、
店員さんに「突っ立ってんじゃねーよ」
と暴言を吐いてるのが聞こえた。


そんな中、私は蘭さんに腕を引っ張られて
2人で店を後にした。



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