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中間side













俺が自分の体調不良をちゃんと認識したのは

昨日が初めてのことやった。




それまでは自分の体と相談して、

ちゃんと寝る時間も確保するようにしてたんやけど。




昨日は突然撮影が入って、その練習のために徹夜して、

そうしたら自分の体が自分のものじゃないみたいに

だんだんコントロールできなくなっていった。






頭がぼーっとして何も聞こえなくなったり、

かと思えば激しく動悸がして呼吸が出来なくなったり。




次第に気持ちも落ち着かなくなって、泣いたり暴れたりもした。






そんな状態を繰り返している間に日が昇っていて、

気づいたらみんなが目の前にいた。






今日はレギュラー番組の収録があったはず。


しげが昨日、帰り際にそう言ってた。






収録に行かなきゃいけないのに、

2日間ろくに睡眠もとれてないから体が動かなくて

頭も働かない。みんなが何を言っているのかわからない。








桐山「…大丈夫大丈夫。今日の収録はお休みになったで」


中間「…っはぁ!げほっ…!はぁはぁっ…、うぅ、」






ぼんやりとした意識の中、背中をさする大きな手の感覚と

安心する声がずっと聞こえていて、






桐山「ちょっと落ち着いて来たかな。淳太くん分かる?照史やで?」


中間「…ん、……ひっく…っ、あきと、っ…」


桐山「ちょっとお水持ってくるわ。苦しいやろ、落ち着こうな」






不思議なもんで、夜通しずっと不安でしかたなかった気持ちも

照史がそばにいるだけで落ち着いてきた。




涙でぐちょぐちょの情けない顔をタオルで優しく拭ってくれて、

キッチンから水を持ってきてくれた。






中間「ごめ…っ、なんか、昨日からおかしくて…っ、」


桐山「ん−ん、ちょっと頑張りすぎちゃったんやな。すぐようなるよ、大丈夫」






水を飲んで一息ついて、照史の顔をちゃんと見てまた安心して。




安心したら激しい眠気が襲ってきて小さくあくびをすると、

「少し横になろっか」と布団までかけてくれた。






やけど、また起きてさっきみたいに気持ちが落ち着かなくなったら…






桐山「ん?寝ちゃってええで?」


中間「……ん、」






相当不安そうな顔をしてたんやろか。


それとも相方にはなんでも分かってしまうんやろうか。






桐山「ふはっ、大丈夫。淳太くんが起きるまでおるから。」






その笑顔を最後に、俺の意識は遠くに引っ張られていった。








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作者名:猫丸子 | 作成日時:2022年9月19日 3時

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