冷たい系執事

お嬢様「行かなくちゃ…」
執事「お嬢様」
お嬢様「(立ち止まる)っ！」
執事「どちらに行くおつもりで？」
お嬢様「私の愛する人のところよ」
執事「…お嬢様、あの方とはもうお別れください。暴力をお受けになっているんですよ。それでもあの方の所へ行かれるのですか？」
お嬢様「そうよ。私にはあの人しかいないもの」
執事「いけません、お嬢様。」
お嬢様「うるさい。私の勝手よ！」(屋敷の玄関に向かう)
執事「仕方ありませんね。(メイドに連絡)」
メイド「はい、私です。何でしょう」
執事「今すぐ屋敷の玄関に。お嬢様を屋敷から出さないようにお願いします。」
メイド「かしこまりました」

お嬢様「…っ！何をしているの？仕事に戻りなさい！」
メイド「執事様からのご命令です。」
お嬢様「執事の命令？ふんっ、ほら、どきなさい。主の命令よ。逆らうの？」
メイド「…っ」
執事「お嬢様」
お嬢様「行かせて。主の命令よ？」
執事「メイドのあなたは仕事に戻ってください。」
メイド「(礼)失礼致します。」
執事「お嬢様、いけませんと申し上げましたよね？」
お嬢様「あなたまで主の命令に逆らうのね！」
執事「逆らう訳ではございません。お嬢様の為を思い、申し上げているだけでございます。」
お嬢様「私のため？」
執事「それに、本当は私に愛されたいのでは？」
お嬢様「笑わせないでちょうだい。」
執事「私は知っておりますよ。お嬢様が私のことを慕って頂いているということ。こうやって、私に止めて欲しいとお思いになっていること。」
お嬢様「な、何を…言ってるの？」
執事「(抱きしめる)こうやって私に抱きしめて欲しかったのですよね？」
お嬢様「っ！ん、わかったわ…あの人とは別れる。」
執事「やはりそうでしたか。嬉しきことでございます。」
お嬢様「だけど、ちゃんと私のサポートお願いね。」
執事「承知しております。」
お嬢様「部屋に戻るわ」
執事「かしこまりました。」