最近の占いツクールを見て思うこと

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　ここからは便宜上、私のことを筆者と呼ばせていただきます。

　ここでは、未成年を子供と呼ばせていただきます。精神面ではなく、年齢として18を超えていなければ子供とします。
　逆に、成年者を大人と呼んでいますが、ここでの大人は一般的な教養のある大人を指しています。


　筆者が占いツクールを見ていて目に付くのは、「未成年がR指定の付く作品を作る(読む)」、「実体験(病み系)を話す」という作品達です。


　まず「未成年が〜」という類の話ですが、そもそも、なぜ年齢制限というものが存在しているのでしょうか。

　これに答えられる人はあまり居ないと思います。健全という括りも、どうやって決められているのでしょう。
　答えは一つです。

　子供、特に小中学生以下が読んで、悪影響を及ぼさないものを健全と呼びます。

　小中学生の皆さん、あなた達はまだ、「守られる側」です。
　親、または保護者が居なければ、生きることも生活することもできません。

　「守られる側」という立場の意味は、「まだ社会を知らない」「まだ独り立ちに必要な能力が無い」という意味です。

　何が真実で何が嘘なのか、誰が正しくて誰が正しくないのか、何を信頼すべきなのか。

　それらの判断や区別をすることが難しいから、「まだダメだよ。」と、大人は汚いものを見せまいとするのです。


　そして、子供と大人で一番違う点は、どれだけハッキリした線引きをしているかどうかです。

　大人は、しても良いこととしてはいけないことを知っています。それは、長い年月を生きてきた功績でもあります。また、どれを優先させるべきかも知っていますし、そのためにやりたい事を諦めることもできます。

　子供は、どうしても曖昧な線引きしかできません。親から言われた「ダメな事」と、先生から言われた「ダメな事」しか知らないからです。何を優先するべきか分かっていてもやれない、やりたいことを諦めたくない。
　だから、どうにかして抜け道を探そうとします。


　この違いが、年齢制限が付いている一つの理由です。
　もう一つの大きな理由は、「子供は責任を負えない」ということです。
　

　例えば、18才以上しか見れない小説を中学生が読んだとします。　
　中学生、いや、小学校高学年くらいで既に、生殖機能が発達している子も居ると思います。
　
　小説に書いてあった、漫画で見た。もしそれだけで子供ができてしまったとしたら、どうでしょう。

　中絶を行うにしろ、お金を払うのは大人です。書類にハンコを押したり、サインをするのも大人です。トラブルがあった時に謝るのも大人です。

　子供は、自分が思っている以上に無力です。先程言ったように「守られている存在」です。
　

　そして皆さんは知っているかもしれませんが、年齢制限の付いている作品は、「この年齢以下の人は見ない方がいい」ではありません。「この年齢以下の人は見るな！」です。

　そこまで強制する理由は何か、『あくまでフィクションだから』です。現実ではないからです。　

　どうしても、そういう作品には製作者の欲望や願望があります。そして、非現実的な要素も含まれやすいです。

　子供はどうしても、見た情報を真実だとして捉えやすいです。特に初めて見たものは、それが本当だと信じてしまうこともあります。

　「間違った知識を持たないようにするため」これはネット全体に言えます。

　間違った知識を持って欲しくないから、「ネットを使う時は気を付けろ」、「変なことをしてはダメだ」と、世の両親は口酸っぱく言うのです。

　「禁止されてるから」、「地区によっては犯罪だから」そんな理由を並べることは簡単です。ですが、なぜそうなったのかを、一度考えてみてはくれませんか？
　自分の納得できる答えを見つけられるように、色々考えてほしいと筆者は思います。


　ここまでの事をまとめると、

・まだ善悪や真偽の区別が付かない年齢だから見てはいけない。
・間違った知識を持ってしまうかもしれないから見てはいけない。
・何かが起こった時に責任を取ることができないから見てはいけない。

ということです。

　書くことについては、上記の理由に加えてもう一つ。
「書くという行為は必ず形になって残ってしまうから」です。

　どこかに投稿した。ノートに書いた。誰かに見せた。書くという行動には、読むことよりも高いリスクが隠されています。

　それを誰かが保存していたら。証拠として持たれていたら。それはあなた達が大人になった時、消えない傷になりかねません。

　口うるさいかもしれませんが、「子供にはできるだけ安全な道を通ってほしいと大人は思っている」ということを、どうか理解してくれるとありがたいです。

　

　次に、いわゆる「実話系」の作品。
　不幸な出来事や自分の嫌なことなどを書いている作品ですが、筆者にこれらの作品を否定する意図はありません。これだけは明言しておきます。

　
　筆者がそれらの作品を見て思うことは、「もったいないな」です。
　
　書いてる方は何歳でしょうか。学生さんならば10代前半、または後半だと思うのですが、ここで常々思うことがあります。

「まだ何十年も時間があるのに、今その時間を捨てようとしてしまうのはもったいない」と。

　生きるためなら逃げても良いと筆者は思っています。逃げられないからネットに居るという方もいらっしゃるとは思いますが、その方々に今一度問います。


　逃げるための努力をしましたか？反抗する努力をしましたか？


　例えば、今誰かに意地悪をされているとしましょう。その本人に、「嫌だ、やめて」と言いましたか？
　
　怖くて言えないなら、担任の先生に相談しましょう。取り合ってくれないなら、学年主任の先生に。　
　保健室の先生や相談室(私の居た学校では相談室と言っていました)の先生。もしくは、話しやすい先生、好きな先生。

　両親、祖父母、親戚。信頼できる人なら誰でも良いです。

　誰かに「助けて」と言わなければ何も変わりません。

　
　言っても信じてくれるかどうか分からない、恥ずかしい。そんな気持ちは一回捨てましょう。ちゃんと言っても信じてくれないなら、別の人に同じことを言えば良いんです。
　ネットで吐き出せる勇気があるならできます。

　筆者としては、ネットに投稿しているのを見ると、「この子は誰かに助けてほしいんだろうな」「この子は誰かに肯定(共感)されたいんだろうな」と感じます。

　投稿内容が事実かそうじゃないかはさておき、今の状態から抜け出したいと少しでも思うなら、ちょっとだけ力を込めて、声を出してみたらいかがでしょうか。


　上の文章で言ったように、子供は「守られる側」です。逆を言えば、大人は子供を守らなくてはいけません。

　もちろん叱るときは叱るし、間違いは直すべきと言いますが、少しは大人に助けを求めること、守られることを覚えてほしいなと筆者は思います。


　学校も家も嫌なら別のコミュニティを探しましょう。ネットもコミュニティの１つではありますが、現実の方でも、自分が安心できるコミュニティを作ってみましょう。

　どこでも良いです。どんな大きさでも構いません。居て落ち着く場所、話しやすい人、そんなスペースを作ってみてください。


　そうしたら、「現実は嫌だ」「ネットしか居場所が無い」とは、思わなくなるんじゃないかなと思います。
　ちなみに、アニマルセラピーなんかも結構落ち着くなと思います。猫の多い穴場とかを見つけて癒されるのも１つの方法ですよね。

　
　大人は「子供の方がいい」「子供は楽」とよく言いますが、正直大人の方が良いです。楽しいです。

　子供は責任を負う必要はありませんが、その分不自由です。親の近くに居なければ生きていけません。ですが、大人は1人でなんでもできる代わりに、自由です。

　本当に嫌なことがあれば職を変えればいい。トラブルが起きたら引っ越せばいい。逃げる選択肢を増やすことができるのが、大人の利点かなと思います。

　筆者も含めここに居る方々には、まだ時間が沢山あります。
　苦しいと思ったら迷わずに逃げて、大人になってから見つけられる楽しい時間に出会うことを目指してみてはどうでしょうか。


　

　この二つの話に共通して言えることは少ないですが、皆さんにはこれまで生きてきた時間の何倍も時間があります。

　今に全力を尽くすことももちろんですが、少しだけで良いので、未来に目を向けて行動してくれると良いなと筆者は思っています。


　皆さんにはきっと、筆者が小さな時とは比べものにならないほど柔軟な視点や思考が備わっていると思うので、ぜひ、その能力を有効活用してあげてください。


　皆さんが自分を誇れるような強い人になれることを願っています。




無名。