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皆様こんにちは!!ピピコと申します!!「沖田隊長、」シリーズ沖田隊長誕生日緊急企画であります!!これを書いてる時点で7月8日の11時になろうとしているので、恐らくは間に合わないだろうなと思いながらこれを綴っています。

リアルがなんだか地味に忙しく、+なんかやる気が出ないという色んな理由で本編の更新も滞ってしまい大変申し訳ないのですが、なるたけ更新出来るように頑張りますのでどうか、頭の片隅に置いておいてくださると幸いです(笑


そして、せめてものお詫びのようなものとして、そして沖田隊長の誕生日のお祝いとしてこれを公開するので、お楽しみ頂けたら嬉しいです!!


それでは、どうぞ!
…その事実を知ったときの私の衝撃ったら、もう言葉に言い現せないレベルであった。

一日の仕事も終わり、就業時間をとっくに過ぎて晩ご飯など生活においての諸々を済ませて、さぁそろそろ布団に入って眠り今日の疲労を癒し、明日に備えようじゃないかとしている時であった。お水を飲んでから寝ようと食堂に入ったところでタイミングよく副長が少し遅めの夕食をとりに食堂にいらしたので、彼にせめてもの労りとしてお茶を入れていたのだ。その時、副長は思い出したように呟いたのだ。


「そういや、今日は総悟の誕生日だったか」


…固まった。数秒固まり、そして「え?」と彼に聞き返すと「いや、だから今日は総悟の誕生日だなって」と繰り返した。その言葉を聞いて。その事実を知って、私は青ざめた。血の気が引いた。知らなかった。そんなこと、聞いていなかった。沖田隊長が夏生まれであることはなんとなく知っていた。だが具体的な日にちは知らなかった。つまり、私はプレゼントを用意していないどころか、お祝いの言葉も口にしていないのだ。

どういう訳なのか、私が居る時に誰かが沖田隊長にお誕生日おめでとう、という言葉をかけることもなかったため、私は何もの知らないままに一日を過ごし、終えようとしていた。なんたる失態。なんたる悲劇。最悪だ。

彼の部下として、彼の恋人として。私は彼におめでとうと言わなければならない。食堂の壁にかけられた時計を見れば、時刻はもう日にちを跨ごうとしていた。私は大慌てで副長に「失礼しますっ!!」と頭を下げて食堂から全速力で出ていったのだ。


…そうして今に至る。

現在沖田隊長の部屋の前。しっかりと隙間なく閉められた襖は襖としての役割を全うしており、それを見据えながらに深呼吸をしていた。


(どうりで、なんだか今日の沖田隊長の様子がおかしいと思った…)


というのも、今日の沖田隊長は私に頻りに『今日は何の日だっけなァ』と聞いてきたのだ。カレンダーを見ても特に何か重要なことが書かれているわけでもないので、意味が分からず『七夕の次の日ですよ、ほら、仕事してくださいよ。…何項垂れてるんですか』なんてことを言ってあしらっていたのだ。

そりゃ項垂れるわ!!何故気付かなかったのだろう、彼は落ち込んでいたのだ。その打たれ弱いと言われるドSのハートを、私は思いきり無意識に割っていたのだ。今なら分かる。彼の心のガラスが割れる音が今更になって聞こえてくる。きっと彼は、私のおめでとうを待っていたのだろう。私なんかのおめでとうを待っていたのだと言うのはなんだか酷く恥ずかしいし、そんなものに大した価値はないように思えるけれど、沖田隊長は話が別だろう。

私が沖田隊長の言葉に一喜一憂するように、彼もきっと、同じでいてくれているのだろうと、そう思える。理由は分からないけれど、そんな気がした。


…言わないと。お誕生日おめでとうございますって。知らなくてごめんなさいって。ちゃんとお祝いしなければ、今日を終わることができない。私は両手に力を込める。


…きっと沖田隊長は寝ているだろう。少し声をかけて起きなかったらどうしようか、と、私は考える。その場合、何かしら不要な紙にメッセージを残して帰ろう。無理矢理起こすのは気が引ける。そうしたら明日、ちゃんと言おう。そう決める。

逆に起きていたら。それを想像して、私は思わず苦笑のような表情を浮かべた。確実にネチネチと文句を言われるだろう。結構な確率でそうだろう。だってあれだけアピールしていたのに、彼女である私が彼の誕生日を知らなかったのだから。それなりにショックだったのなら、不貞腐れたように何かを言われるだろう。そんな光景が脳裏に浮かんできて、まぁそれは仕方ないなと割り切る。それに関しては、私が悪いのだから。


…いつまでもここで考えて突っ立っている訳にはいかない。早くしないと、7月8日が終わってしまう。私は覚悟を決めて、襖を隔てた向こう側に声をかける。上司の部屋に、無言で入るわけにはいかない。


「お、沖田隊長、入りますね」


そう小さく呟いては襖を開けた。ゆっくりと、音をたてないようにしながら。部屋を見てみると、既に明かりは消されており、沖田隊長は布団に横になって眠っていた。仰向けになって、目を閉じている。

やはり、眠ってしまったか。部屋に足を踏み入れ、彼の寝顔を見つめる。規則正しい寝息が聞こえてきて、いつもより表情が幼く見えて、自然と笑みが零れてきた。長い睫毛が伏せられていて、それが顔に鹿毛を作って、なんだか綺麗だった。

ホントに女性顔負けの美貌だな、なんてことを思っては私は変態かと首を振る。彼の寝顔に見とれに来たわけではない。


「…寝ちゃい、ましたよね…?」


そう問い掛けるも、返事はない。ぐっすり眠っているようだ。私はそのへんにあった要らない紙を探す。それは一瞬で見つかった。彼の部屋は、お世辞にも綺麗だとは言えない。要らなさそうなものがあちこちに散乱しており、掃除をした方がいいなと思う。仕事中ではあまり気にしていなかったけれど。近いうちに掃除を決行しようと決め、紙にボールペンを走らせた。


『遅くなってごめんなさい、お誕生日おめでとうございます』


カチリ、とボールペンの先を引っ込めて、私は彼の机にペンと紙を置いた。そうして立ち上がり、彼の寝顔をまた見つめる。先程と変わらず、寝息をたてながらに気持ち良さそうに眠っている。明日はちゃんと起きてくれるといいななんて淡く、そしてきっと叶わない期待を抱いては、それと同時に思う。

気持ちだけでも、お祝いをしておこうか。


私は彼の元にしゃがみ込み、ちょっとだけ芽生えた躊躇いを振り払い、彼の耳元に唇を寄せた。私にしては思いきった行動だった。そして、小さく息を吸い込んでは、言葉を発しようとする。

すると。


「なーにしてんでィ」

「!?…う、わぁ…!?」


…聞き覚えのありすぎる声が聞こえてきて、目を見開いてバッと彼の顔に私選を向けようとしていれば、後頭部に手が回されて、ドサッ、と。私は彼の上に倒れ込んでしまう。反射的に目を閉じると、また声が聞こえてくる。私の、耳元で。


「夜這いかィ?」

「ちっがいますから!!!」


カッと目を開けてはガバッと顔を上げて夜に出すのに相応しくない声量でそう反論する。「なんだ、随分大胆なことしてくれるよーになったなって喜んだのに」なんてことを言っている彼はバッチリ目を開いて私を見据えている。楽しげにニヤニヤとしながら。

私は思い出す。沖田隊長は眠っているのに、アイマスクをつけていなかった。いつも眠っているときにつけているあの憎たらしいデザインのアイマスクを。つまり、彼はずっと起きていたのか。私は遅すぎる理解をして、必死に彼に食い下がる。


「そ、んなことするわけないでしょう!?上司の部屋に、よ、ばいなんて…!!」

「彼氏にはありだろィ」

「私はしませんから!!」


そんな度胸も勇気もないし、そんなはしたないことなんてしない。突っ込みをしてはゼェゼェと息を切らす。一日の終わりに酷く疲れてしまった。


「んじゃナニしに来たんでィ」

「なんか、やめてくれませんかその感じ」


恥ずかしさやら焦りやらのせいで顔に熱を集めながらに、私は彼を睨み付ける。けれど彼はそんなもの気にもせず、私をじっと見つめている。その真っ直ぐな視線に気まずくなり、そしてそのなんだか何処かまとわりつくような視線に、あぁ、これは私の目的を察しているなと理解する。観念して私は答える。隠していてもいいことはないだろうと、経験が告げていた。


「…沖田隊長の、お誕生日を、お祝いしに来ました」

「タイムリミットの5分前に」

「うっ、…はい」


時計は確かに今日の終わりの5分前を指している。痛いところをつかれ私はこくりと頷いては、ごめんなさい、と呟く。


「言い訳ではないんですけど、知らなくて……だから、せめて、気持ちだけでもって、思って…」


おめでとうと言われるのと言われないのではまったく違う。私だって誕生日に、彼が何のアクションもなかったら、寂しいだろう。そんな寂しい思いを、私は彼にさせてしまうところだったのだ。彼女として、してはいけないことだ。

もう既に、彼女失格じゃないか。なんだか情けなくて泣きたくなってしまう。


「…ずっと待ってた」

「…はい」

「楽しみにしてた」

「……はい」

「何も言ってくんねーのかなって、モヤモヤしてた」

「…ごめんなさい」


申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、布団を握り絞める。沖田隊長は私の頭を撫でながら、でも、と続ける。


「ギリギリセーフだったけど、満足でィ」

「…ぇ」

「お前がこうして来たんだ、他に何も要らねーよ」


お前のことだから気にしてるだろーけど、プレゼントとか、そんなもん要らねーんだよ、と。もう十分でィ、と。沖田隊長はそう言って、薄く笑ってくれた。その小さな笑みに、嬉しさを称えながら。

その表情に、私は何もかもを救われたような気持ちになる。罪悪感で埋め尽くされていた胸が暖かなものでいっぱいになる。


…いつかの今日に、今こうして私と一緒に居てくれる彼が産まれたのだ。それはきっと、奇跡と言ってもいいような出来事で、そんな奇跡的な出来事がなかったなら、私は彼と出会うことはなく、こんなに幸せな、優しい気持ちになることもなかったのだ。


…涙でちょっぴり歪んでしまった視界で彼を見据えた見つめて、「…沖田隊長、」と、彼の名前を呼ぶ。


「…お誕生日、おめでとうございます」

「…ん」

「貴方が産まれてきてくれて、私を好きになってくれて、嬉しいです」


ありがとうございます、と。照れ臭くて死にそうになりながらも、私はそう告げた。沖田隊長はその言葉を受け止めてくれて、暗くてよく見えないけれど、恐らくは頬を心なしか赤く染めて、「そりゃどーも」と言った。

そうして彼は後頭部に添えた手を自分の元に押して、キスをして、一度離してはもう一度触れさせた。抵抗することなく、私は目を閉じる。何度かそれを繰り返しては、彼は口角を上げて微笑んだ。私も同じように微笑み返した。


…時計の針が、7月8日を終えたことを告げている。横目にそれを確認しては、来年も、その次も、こうして彼におめでとうと言っていけたらいいなと思う。勿論、来年はちゃんと準備を整えて。


…彼が生まれてきてくれた日のことを、私は彼と同じくらいに愛しく思うのだった。



「…沖田隊長、それでは私は戻るので……離してくれませんか」

「は?今夜はここで寝るんだろィ?」

「…え?」

「それが俺へのプレゼントっつーことで」

「……え?」

「おやすみ」


「………え?」




【終わり】

やっぱり間に合いませんでしたが、沖田隊長、お誕生日おめでとうございました!!

読んでくださった皆様、ありがとうございました!!

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ピピコ(プロフ) - あゆ隊長。さん» あゆ隊長。さん!ありがとうございます!!カレカノのお誕生日イベントが発動です!最近の本編は若干シリアス続きなので甘く仕上がって個人的には満足してます(笑)皆様と一緒にお祝いできて幸せでした!!沖田隊長お誕生日おめでとうございました!! (2018年7月15日 0時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 赤珠(元 チョコうさ。)さん» 赤珠さん!ありがとうございまぁぁぁぁぁす!!(笑)やっぱりこういうお祝いには参加すべきだなと思い間に合うように必死こいて書きましたがタイムリミットは呆気なく過ぎていきました(笑)が、お祝いできてやっぱり良かったです!沖田隊長おめでとうございました! (2018年7月15日 0時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - kamiyakazi725さん» kamiyakazi725さん!ありがとうございます!!ギリッギリというかもうアウトっていう時間に出したのですが、そう言って頂けるならセーフということにしてもいいかもしれませんネ(良くない)お楽しみ頂けたようで何よりです!沖田隊長おめでとうございました!! (2018年7月15日 0時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 獅子の子さん» しーちゃん!いつもありがとう!!大分切羽詰まりながら書いたけどニヤケてくれたかい?しーちゃんの好きは元気が出るよぉ書いて良かった(感涙)夢主ちゃんのその後を考えると笑えてくるよ(笑)沖田隊長お誕生日おめでとうございましたー!!! (2018年7月15日 0時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 夢沢夏美さん» 夢沢夏美さん!ありがとうございます!!沖田隊長のお誕生日が終わる一時間前に書き出し、沖田隊長のお誕生日が終わった20分後くらいに出しましたので粗削りですがちょっとでも癒されて頂けたら嬉しいです!!沖田隊長おめでとうございました!! (2018年7月15日 0時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピピコ | 作成日時:2018年7月9日 0時

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