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｢レオちゃん、痩せた？｣
学校の休憩時間、僕は隣であくびをしているレオちゃんに声をかける。
｢急になんだよ。……そうだが、それがどうした｣
顔を不機嫌そうに歪め、僕の顔を見上げる。その輪郭は細かった。
いや、輪郭だけじゃない。腕やらお腹やら。誰でも見て分かるように細くなった。
｢無理なダイエットは逆に太るよ｣
｢うるせぇ、食欲が無いだけだ｣
そう言い、直ぐに向き直る。ただ心配しているだけなのに、″悪友″というだけでこんな有様だ。
食欲が無いとなると、風邪でも引いたのだろうか……でも咳はしていないし血色も良い。何より僕にガン飛ばしてくるんだから健康なはずだ。
｢……あのなあ、全部聞こえてんだよ。俺が心読めるって事忘れてんのか？｣
あ。と一つ声を出し口を塞ぐ。｢んなことしてももうおせーわ｣と何処か呆れたような顔でまた僕を見上げる。
｢ごめんごめん｣と笑いながら言う。するとちょっとした痛みが人差し指に走った。
｢いっ……あーあ、指切っちゃった｣
レオちゃんに見せつけると、｢気いつけろよ｣とだけ言ってあまり興味はない様子。可笑しいな、吸血鬼だから地には興味あるはずなのに……
と思ったが、食欲が無いならこれも当然の結果なのかなと思う。
考え込んでいたときに、レオちゃんが何かをこちらに投げてきた。
｢絆創膏巻いとけ、見た目のわりには結構痛いからな｣
よくよく見ると、それは絆創膏。｢ありがと｣とだけ言うと、返事もせずに職員室から出ていった。
と同時にチャイムが鳴り、走るような足音が職員室から遠ざかっていった。生徒に走るなとか言っといてこれはないんじゃないか、と心の中で思う。
｢……つれないなぁ｣
一人きりの職員室に、僕の独り言が小さくこだました。
*+*+*+*+*+*+
最近、自分でも痩せたと感じる。
そりゃあそうだ。食欲が無いし、食べたいとも思わない。
……ある一つのものを除いたら。
数週間前、学校に悪霊が侵入した。俺にとっては大した敵ではなかったが、アイツにとっては違ったらしい。
俺が片付けた後、アイツはネロの近くで倒れていた。守ろうとでもしたのだろうが、アイツには俺ほどの力が無い。だから血を流して倒れてたんだろ？
俺は、仮にも吸血鬼だ。
血には機敏に反応する。人間だって甘い 香りが教室中に漂っていたら反応するだろう、それと同じだ。
アイツは俺が近づいても目覚めない。当たり前だ、頭から出血してるんだから。
｢……おい、起きろ｣
そう耳元で呟く。だがピクリとも動かない。
俺は一つ溜め息を吐き、傷口を舐めた。吸血鬼 には傷口を治す能力がある。これでちょっとくらいはマシになると良いのだが、と思ってとった行動だった。
甘い味が口一杯に広がる。
｢……い″っ……｣
不意にアイツが声を上げる。痛々しい声を。
それにビクッとしながら、俺は口元についている血を拭った。
傷は治っただろう、と意識を放り投げているアイツをそのままにしてその場を立ち去った。
……アイツにはばれていたようだが。
それからだ、食欲が無くなったのは。
……いや、厳密に言えば食べたいモノ以外にめっきり興味が無くなった。
やっぱり、アイツに関わるとロクなことがない。
｢お願いだから、血、出さねえでくれよ｣
あの味覚が蘇って
｢腹、減るから｣
でも興味は無くて
｢……俺は何で｣
こんな
｢吸血鬼なんかに生まれたかな ｣
学校の休憩時間、僕は隣であくびをしているレオちゃんに声をかける。
｢急になんだよ。……そうだが、それがどうした｣
顔を不機嫌そうに歪め、僕の顔を見上げる。その輪郭は細かった。
いや、輪郭だけじゃない。腕やらお腹やら。誰でも見て分かるように細くなった。
｢無理なダイエットは逆に太るよ｣
｢うるせぇ、食欲が無いだけだ｣
そう言い、直ぐに向き直る。ただ心配しているだけなのに、″悪友″というだけでこんな有様だ。
食欲が無いとなると、風邪でも引いたのだろうか……でも咳はしていないし血色も良い。何より僕にガン飛ばしてくるんだから健康なはずだ。
｢……あのなあ、全部聞こえてんだよ。俺が心読めるって事忘れてんのか？｣
あ。と一つ声を出し口を塞ぐ。｢んなことしてももうおせーわ｣と何処か呆れたような顔でまた僕を見上げる。
｢ごめんごめん｣と笑いながら言う。するとちょっとした痛みが人差し指に走った。
｢いっ……あーあ、指切っちゃった｣
レオちゃんに見せつけると、｢気いつけろよ｣とだけ言ってあまり興味はない様子。可笑しいな、吸血鬼だから地には興味あるはずなのに……
と思ったが、食欲が無いならこれも当然の結果なのかなと思う。
考え込んでいたときに、レオちゃんが何かをこちらに投げてきた。
｢絆創膏巻いとけ、見た目のわりには結構痛いからな｣
よくよく見ると、それは絆創膏。｢ありがと｣とだけ言うと、返事もせずに職員室から出ていった。
と同時にチャイムが鳴り、走るような足音が職員室から遠ざかっていった。生徒に走るなとか言っといてこれはないんじゃないか、と心の中で思う。
｢……つれないなぁ｣
一人きりの職員室に、僕の独り言が小さくこだました。
*+*+*+*+*+*+
最近、自分でも痩せたと感じる。
そりゃあそうだ。食欲が無いし、食べたいとも思わない。
……ある一つのものを除いたら。
数週間前、学校に悪霊が侵入した。俺にとっては大した敵ではなかったが、アイツにとっては違ったらしい。
俺が片付けた後、アイツはネロの近くで倒れていた。守ろうとでもしたのだろうが、アイツには俺ほどの力が無い。だから血を流して倒れてたんだろ？
俺は、仮にも吸血鬼だ。
血には機敏に反応する。人間だって
アイツは俺が近づいても目覚めない。当たり前だ、頭から出血してるんだから。
｢……おい、起きろ｣
そう耳元で呟く。だがピクリとも動かない。
俺は一つ溜め息を吐き、傷口を舐めた。
甘い味が口一杯に広がる。
｢……い″っ……｣
不意にアイツが声を上げる。痛々しい声を。
それにビクッとしながら、俺は口元についている血を拭った。
傷は治っただろう、と意識を放り投げているアイツをそのままにしてその場を立ち去った。
……アイツにはばれていたようだが。
それからだ、食欲が無くなったのは。
……いや、厳密に言えば食べたいモノ以外にめっきり興味が無くなった。
やっぱり、アイツに関わるとロクなことがない。
｢お願いだから、血、出さねえでくれよ｣
あの味覚が蘇って
｢腹、減るから｣
でも興味は無くて
｢……俺は何で｣
こんな
｢
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ルーにゃ(プロフ) - ランカ「え？いや何故謝る！」メフィ「んー・・ちょっと回収するね・・って事でレオちゃん留守番よろしくね」 レオ「は？！」 (2019年7月6日 21時) (
レス) id: 47173a387a (このIDを非表示/違反報告)
望月＠闇月(プロフ) - ルーにゃさん» イデア｢ごめん私が悪かったわ(面倒くさくなりそうな予感しかしなかった)｣ (2019年7月6日 21時) (レス) id: 9834c5368e (このIDを非表示/違反報告)
ルーにゃ(プロフ) - ランカ「イアちゃんだって辛辣な言葉控えたらモテるかもよ？」 (2019年7月6日 21時) (レス) id: 47173a387a (このIDを非表示/違反報告)
望月＠闇月(プロフ) - ルーにゃさん» イデア｢そう…(諦めの目)｣ (2019年7月6日 21時) (レス) id: 9834c5368e (このIDを非表示/違反報告)
ルーにゃ(プロフ) - ランカ「だいじょーぶだよ！モテたく無いし！」 (2019年7月6日 21時) (レス) id: 47173a387a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：望月@闇月 | 作成日時：2019年6月28日 22時
