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数年前のこの日に、俺が体験したこと。
信じるかどうかはオメェら次第だ。
___
海の日 = 海 = 船 = 海賊 = 元親っていう式が出来てしまったから。
注意事項
*船幽霊の話
*ぐろは無いけど怖いかもしれない。でもたいして怖くない。
*中身はネットで見つけたもの
それでもよければ...
数年前のこの日に、俺が体験したこと。信じるかどうかはオメェら次第だ。
___
海の日 = 海 = 船 = 海賊 = 元親っていう式が出来てしまったから。
注意事項
*船幽霊の話
*ぐろは無いけど怖いかもしれない。でもたいして怖くない。
*中身はネットで見つけたもの
それでもよければ...
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何年前のことかは覚えてねぇんだが、野郎共と船にのりこんで、遠くの海へお宝を探しにでかけたんだ。
ところが目指す海へつかないうちに、夜になっちまってな。
帰ろうにも向かい風が強くて、船は思うように進めなかった。
「おい、あれはなんだ？」
見張りの男が、向かい風に逆らいながら近づいてくる船を見つけた。
船べりにも、ほづなにも、青白い火が数え切れないほど灯ってた。
「ゆ、幽霊船だ！」
それは万灯船(まんとうせん)とよばれる幽霊船で、このあたりの海にだけ現れるらしい。
「いいか、絶対に口を利くなよ」
「それに『ひしゃくで水をくれ』と言われても、ひしゃくの底を抜いて渡さねぇと、そのひしゃくで船に水をかけられて、船をしずめられるぞ」
野郎共はもう、生きた心地がしてなかった。
幽霊船は滑るように近づいてきて、へさきを並べた。
船べりには、ひたいに三角のきれをつけた幽霊たちが、
「水をくれ〜」
「頼むから、真水を飲ませてくれ〜」
って、かぼそい声をしぼり出して言ってくる。
幽霊は男だけじゃなく、女や子どもたちも混じってた。
これを見た俺は、野郎共にこう言いつけた。
「おい。水のたるを五つ六つ、持ってこい」
「何言ってんすか！ とんでもねえ！」
野郎共は反対してきたが、
「海の上で飲み水がないほど、辛いことはねぇよ。相手が幽霊船だとしても、ここは情けをかけてやろうじゃあねぇか」
俺はそういって幽霊船に縄を投げ渡し、水のたるを次々とつるして、幽霊たちにたぐらせてやった。
船べりの幽霊たちは、嬉しそうにいくつもの水だるを受け取ると、ゆっくりとその場をはなれていった。
やがて風もおさまって、朝にはすっかり波のおだやかな海になった。
そして漁を始めたところ、たちまちの大漁でな。お宝がザクザク出てくんのよ。
それから俺らの船は漁に出るたびに、必ず大漁だったんだ。
後から考えたことなんだがよ、飲み水をやらなかったら、どうなってたんだろうな。
本当に沈められてたかもしれねぇし、違う酷い目にあってたかもしれねぇ。
まぁ、これで幽霊も悪い奴だけって訳じゃねえことが分かったわ。
あ、因みにひしゃくっつーのは水とかをくむための道具で、船べりは船の近くのこと、真水は塩分をほとんど含まねえ水のことだ。
何年前のことかは覚えてねぇんだが、野郎共と船にのりこんで、遠くの海へお宝を探しにでかけたんだ。
ところが目指す海へつかないうちに、夜になっちまってな。
帰ろうにも向かい風が強くて、船は思うように進めなかった。
「おい、あれはなんだ？」
見張りの男が、向かい風に逆らいながら近づいてくる船を見つけた。
船べりにも、ほづなにも、青白い火が数え切れないほど灯ってた。
「ゆ、幽霊船だ！」
それは万灯船(まんとうせん)とよばれる幽霊船で、このあたりの海にだけ現れるらしい。
「いいか、絶対に口を利くなよ」
「それに『ひしゃくで水をくれ』と言われても、ひしゃくの底を抜いて渡さねぇと、そのひしゃくで船に水をかけられて、船をしずめられるぞ」
野郎共はもう、生きた心地がしてなかった。
幽霊船は滑るように近づいてきて、へさきを並べた。
船べりには、ひたいに三角のきれをつけた幽霊たちが、
「水をくれ〜」
「頼むから、真水を飲ませてくれ〜」
って、かぼそい声をしぼり出して言ってくる。
幽霊は男だけじゃなく、女や子どもたちも混じってた。
これを見た俺は、野郎共にこう言いつけた。
「おい。水のたるを五つ六つ、持ってこい」
「何言ってんすか！ とんでもねえ！」
野郎共は反対してきたが、
「海の上で飲み水がないほど、辛いことはねぇよ。相手が幽霊船だとしても、ここは情けをかけてやろうじゃあねぇか」
俺はそういって幽霊船に縄を投げ渡し、水のたるを次々とつるして、幽霊たちにたぐらせてやった。
船べりの幽霊たちは、嬉しそうにいくつもの水だるを受け取ると、ゆっくりとその場をはなれていった。
やがて風もおさまって、朝にはすっかり波のおだやかな海になった。
そして漁を始めたところ、たちまちの大漁でな。お宝がザクザク出てくんのよ。
それから俺らの船は漁に出るたびに、必ず大漁だったんだ。
後から考えたことなんだがよ、飲み水をやらなかったら、どうなってたんだろうな。
本当に沈められてたかもしれねぇし、違う酷い目にあってたかもしれねぇ。
まぁ、これで幽霊も悪い奴だけって訳じゃねえことが分かったわ。
あ、因みにひしゃくっつーのは水とかをくむための道具で、船べりは船の近くのこと、真水は塩分をほとんど含まねえ水のことだ。
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作者名：あすたりすく | 作成日時：2016年7月18日 0時
