【病み松】注意三回、そこのお前生徒指導室に来い。【吸血鬼松】

12種類の結果パターン

外側も、中身も、大好き。 - 2024年4月25日

『いたっ！！』

持久走の真っ最中、足をもつれさせて転んだ。

｢あーあー…大丈夫かー｣

声を掛けられて、返事をするもじわじわと痛みが走る。わたしの膝から流れる血に、先生が顔を顰めた。

｢…保健室行くか？保健委員〜｣

｢どしたんすか！？｣

運動場に面した渡り廊下から、教科書を持った十四松先生が駆けてくる。

｢お、松野先生。見ての通りですよ｣

｢じゃあぼく連れてきやすよー！｣

顎をしゃくる先生に、十四松先生がにっこりと笑う。

｢いいんですか？授業は？｣

｢大丈夫っす、今はこれ運んだら終わりなんで！｣

爽やかに手を振る十四松先生。先生も笑って、頭を下げた。

｢じゃあ、お願いします。はい再開するぞー｣

｢YOUちゃん行こー！｣

嫌そうな声を上げる皆から離れて、十四松先生と校内に向かう。

暫く歩いて、誰もいなくなった廊下で十四松先生が立ち止まる。

｢YOU…美味しそう｣

壁に押し寄せられて、血が垂れる膝を見つめられる。

『…流石に、ここは駄目ですよ…』

学年とクラスの書かれたプレートを見上げる。

自分の教室の前で吸血されるのは…。

何だか、背徳的すぎる。

｢気にしなくていいのに！なら、生徒指導室行こっか！｣

人目を避けて、生徒指導室のドアを開く。

『…失礼します』

｢言わなくていーよお、貸切だもん！｣

十四松先生がくるくるっとその場で回る。

｢消毒、しよっか｣

椅子に座った。

十四松side

YOUの膝からどろりと赤い血が出ている。

未だに固まらない、その液体の甘い匂い。

YOUは出血したら、中々止まらないみたい。咬んだ時も、溢れるように血がぼくの方に流れる。

今日はもう、咬むのはやめてあげなきゃ。

膝に唇を付ける。

舌で、丁寧に血を舐める。

『…十四松先生、汚い…ですよ』

｢そんなことないよお！YOU、美味しい！｣

甘くて、濃くて、堪んない。

舐めとっていく内に、咬みたい衝動が強くなっていく。

飴玉を舐め終えたような、そんな気分。

もう一つ欲しい、噛み砕きたい。
これだけじゃ、足りない。

もっと、欲しい。

喉が潤いを求めて、自然と牙を打ち鳴らしていた。

『十四松先生…』

｢あ、ごめん！帰ろっかYOU！ち、違った保健室に行かな…きゃ……｣

YOUが、ぼくの裾を引いた。

｢どうしたの…｣

『…いい、ですよ』

頑張って我慢してたのに。

『っ……』

折角血が止まったのに。そこを、思いっきり牙で引き裂いた。

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