幸せの音色(日常ver)【Fischer’s日替わり】

7種類の結果パターン

今日も、幸せ。 - 2024年4月20日

○ダーマ(昼寝)



｢必殺！｣


彼女は、ふざけたように言って、タオルケットの中に入ってくる。

それに加えて、俺からそれを奪い取ろうとしてきて、


｢あーもー、やめやがれー！｣


俺も対抗して、それにくるまろうとする。


｢私も一緒に昼寝するもんー！｣


なんて、彼女は楽しそう。


｢タオルケットは渡さねぇー！｣


なんだかんだ、俺だって楽しい。


結局二人、背中がくっつく形で落ち着いて。

後ろから、くすくすと彼女の笑い声。


｢眠たくなくなった。｣


言うと、


｢私は眠たいもん。｣


なんて聞こえた。


それから。

しばらく、空白の時間。


なんだよ。

物足りない、なんて。

思っちまってる自分がいる。


｢…なぁ。｣


｢なに？｣


｢顔が見たい。｣


｢…どしたの、急に。｣


本当にな。俺が聞きたいぐらい。


｢…なんとなく。｣


小さく呟く。


そしたら、後ろの方がもぞもぞと動いて、

背中に、ぴったりくっついてる感覚。


｢そっちも、こっち向いたらいいじゃん。｣


なんて、これまた小さな声が聞こえる。


だけど、

背中の方からぽかぽかしてきて、

なんだか、このままが心地よくなって。


｢あー、眠くなってきた。｣


言うと、


｢もー、私も眠い。おやすみ。｣


と聞こえてから、


呼吸の音だけになった。



しばらくしてから、

もぞもぞと動いて、彼女の方を見る。


丁度、胸にすっぽりと収まるところに彼女がいて、そっと、抱きしめた。


ぽっと、心にあたたかい灯りが付いたような、

そんな感覚。



幸せって。

きっと、言葉に出来るもんじゃねぇんだろうな。



ふわふわとした日曜日の午後の空気の中。


二人、夢の中へと微睡んだ。

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