【ツイステ】扉の前での今夜の気分

16種類の結果パターン

こんな夜中に、誰なの？ - 2024年4月19日

「YOUちゃん、起きてたんスね」



扉を開けてくれた彼女からは、ほんのりと石鹸のいい匂いがした。

もう眠る準備をしていたみたいッスね。もしかしたら、最後のグリムくんとのお別れの時間だったかもしれないッスけど、邪魔しちゃいましたかね？



『はい。明日のことを考えると、なかなか眠れなくって。……グリムはもういびきかいて寝てますけど！』

「あはは、そりゃよかった。ちょっと時間もらってもいいッスか？ 君とふたりきりで話したことってあんまり無いな〜って思ってたんスよ」

『大丈夫です！ どうぞ、上がってください』



ずぅーっと思ってたんスよね。いつか君とふたりきりで過ごしたいって。それが今叶うことは、すげえ嬉しいッス。

だけど、神サマもちょっといじわるッスね。オレたちの関係は、この夜で終わっちまうって言うんですから。



「おじゃましま〜す」



でも、オレは諦めるつもりなんかさらさらないッス。

オレ、強欲で卑しいハイエナなんスよ。
狙った獲物は絶対に逃がさない。確実にこの手に陥れるまで。例え、神サマに抗ってでもね。



『ラギー先輩、なにか飲みますか？ 紅茶かコーヒーしかないんですけど』

「……そうだな〜。じゃ、紅茶をお願いしてもいいッスか？」

『お安い御用です！』



グリムくんを起こさないためか、YOUちゃんは忍び足でキッチンに向かいました。

そんな彼女に、背中から声をかけたッス。



「YOUちゃん。こっち向いてくださいよ」

『はい？』



返事をした彼女が、くるっとこちらを振り向く。素直ないい子で助かったッス。

これで、もうオレの勝ちみたいなもんッスから。

きょとんとしている彼女に対して、オレはにやける口を開いた。



「愚者の行進(ラフ・ウィズ・ミー)」



YOUちゃんは目を見開きました。

一歩、彼女に歩み寄ると、一歩、彼女もまたオレの方に歩いてきたッス。それを繰り返すうちに、彼女の手首はいつのまにかオレの手に握られていました。



『え……？ ラギー先輩……？』



ああ。神サマ、ありがとうございます。

アンタがくれたこの魔法のおかげで、オレはこの子を手に入れることができる。

この手は絶対に離しません。彼女は永遠にオレと一緒にいてもらうッス。

そのためにはね。まず脚を動かせないようにするべきじゃないッスか？

すとんとその場に腰を下ろす。

抵抗なくオレと同じように床に座り込んだ彼女の足首を、強く掴んだ。



「いただきます」

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