【銀魂】you and me,me and you__

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神楽「貴方のお相手アル！」 - 2024年4月26日

土方 十四郎 -love-
＊素直になれずに＊


私には想い人がいる。

その彼はいつも無愛想でクール。冷淡で、怒るとものすごく怖い事から、周りからは「鬼の副長」などと呼ばれ恐れられている。

だけど私は知っている。

雨の日にびちょびちょになって屯所に帰って来た理由。それが、傘を忘れて帰れなくなった子供に、傘を貸してやったからだという事も、宴会が終わった後に、寝ている隊員に毛布をかけて回っていることも……

まだ幼い頃からずっと君だけを見てきた。その事に君は気がついていないだろうけど……ねえ、十四郎？私は君の事が大好きなんだよ？

この想いが、届けばいいのに……なんてね？

「……？YOU？おい、どうした？」

急に肩を揺すられて、私は驚きのあまりその場から飛び退いた。目線の先には、いつも以上に瞳孔を開かせた十四郎があった。

「と、ととと十四郎！？な、なな何で！？」
「はあ！？んなに驚く事じゃねぇだろ！？」

ごめんごめんと頭を下げる私に「ったく」と、呆れたように肩をすくめる十四郎。
こんな時思ってしまう。十四郎癖、治ってないんだなあって。今だってほら、髪が長かった時の癖で、首筋を触ってるし。

こういう素振り一つ一つが、私にはたまらなく愛らしかった。

「ふふっ」
「んだよ、何笑ってんだよ」

少し恥ずかしそうに、呆れたように私を見る十四郎。「べっつにー？」と笑いながら襖を開けて、少し振り返りながら呟いてみた。

「ただ、十四郎可愛いなーって思っただけ！」
「……ってはああ！？」

耳まで真っ赤に染めて慌てふためく十四郎。
「お前の方が……」とかなんか言ってる。

「お、お前の方が……可愛いに決まってんだろ……って何言ってんの俺！？」
「……はあああ！？」

今度は私が、さっきの十四郎の立場に立ってしまった。今十四郎……なんて言ったの！？

「っっ……！も、もう俺行くわ！」
「や、ちょ、十四郎……」

私は立ち上がった十四郎の征服の裾を掴んだ。ほーら、また首筋触ってる。照れてる時の仕草だな。

「んだよ……俺もう……」
「わ、私今日非番だからさ！十四郎、当番終わって帰って来たら私の部屋に来て……？色々言いたい事あるんだ……？」

一瞬顔が茹でタコみたいになった十四郎だったが、バッと前を向き歩き出した。軽く手を上げて、「どうだかな」と呟いていた。

早く伝えなきゃ、「大好きだよ」って……

ーーー
土方さんにこんな癖はありません。←

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