こんな所から文豪が。

10種類の結果パターン

今日は誰がどんな所から出てくる？ - 2024年4月25日

学校の帰り道。
何となく何時も路地裏を通る。とんでもない趣味をしていると言われるが無視。いつも通り路地裏に足を踏み入れる。

｢…っ…う…｣

瞬間、人の声が聞こえる。
声を辿り、やがて真っ黒な外套を着た人が狭い路地裏の道に倒れているのを見つける。

｢大丈夫ですか！｣

｢……！うっ…があっ｣

目の前でその人の口から血が舞った。

｢がほっ…げほっ……｣

どうやら腹部を怪我したらしい。私は鞄から救急セットを取り出す。

｢止血します。すみません、服を脱いでもらえますか｣

｢触るな餓鬼！｣

私は負けじと真剣な顔で口を開く。

｢駄目です。此処で止血しなければ貴方は大量出血で命が危ないです｣

｢…っ｣

そう言うと着ている衣服を上半身だけ脱ぎ、傷口を露にした。

｢…終わりました。まだ動いちゃ駄目ですからね。止血した意味が無くなるので｣

｢…｣

勢いよく言う私に動く事を諦めた彼の横に私も座り込むと外套男は口を開く。

｢…貴様もか｣

｢何故、そんな怪我をされたのか気になって｣

｢…敵襲にやられた｣

｢…？｣

敵襲…

｢それ以上は言えぬ｣

｢名前は？｣

｢……名など餓鬼に教える必要があるのか｣

名前を知られたくないのか。

｢…これだから餓鬼は嫌いだ。無能すぎる｣

｢本当ですよ、勉強しても成績は落ちる一方ですし…｣

｢無能だからな｣

｢貴方は一々突っかかってきて面倒くさいですね｣

｢貴様は休めと言っていたのに僕に無駄に会話をさせ、僕を疲労させている。矛盾している様だが｣

｢すみませんね、煩くて｣

外套男は私の話す事を聞いては何か辛辣な感想を述べてまた次の話題へを繰り返していた。

｢…そろそろ僕は任務に戻らねばならぬ｣

外套男は立ち上がり、まだ血の匂いのする外套を翻す。

｢そうですか…沢山お話出来て楽しかったです｣

私はにっこりと笑って見せた。

｢そう言えば、名を聞いていなかったな。貴様、名は｣

｢…私には名乗れと？｣

｢言いたくないのか｣

｢…YOUです｣

｢YOUか｣

何度か名前を繰り返し、花を差し出した。

｢貴様に此れをやろう。知人にやるつもりだったのだが…まあ、いい。それでは｣

外套男はくるりと私に背を向けると一瞬で路地裏の闇に消えた。

｢…変な人｣

私は手の中にある、花弁の大きな花を見た。

｢この花は確か…ネルネ…？｣

それからある事に気づく。

｢…約束です｣

そう呟いて私は一人笑った。


ネルネの花言葉____________また会う日まで。

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• 恋愛運: ★★★★☆
• 健康運: ★☆☆☆☆
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