【黒バス】ピアス、しましょうか。【日替り】

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The pierced earrings of you and me... - 2024年4月20日

＊宮地先輩とYOUさんのピアス＊







宮地先輩が秀徳高校を卒業してから約1ヶ月。今日は久し振りのデートの為、待ち合わせの駅前で先輩を待っています。

先輩に早く会いたくて、そわそわと落ち着きなく待つ私の目に、遠目でもよく見える長身で甘い蜂蜜色の髪を揺らして歩く想い人の姿が映る。

先輩も私の姿を見付けると、片手を上げて小走りに近寄った。





「よお、YOU。待ったか？」


「宮地先輩！」





電話越しの声だけじゃない、実物の先輩に久し振りに会えた事が嬉しくて、人通りのある往来だという事も気にせず、私は思わず先輩の胸に飛び込んだ。

――ああ、宮地先輩だ。

爽やかなシトラスの香りが間違いなく彼本人で、彼の匂いに安堵する私に、先輩は柔らかく微笑みながら抱きしめ返した。





「会えなくて悪かったな。元気にしてたか？」


「私は大丈夫です！先輩こそ大学で無理してませんか？」


「はは、んなもん、部活やってた頃の方が何倍もきつかったっつの。」





それもそうですね、と笑い合いながらお互いの存在を確かめ合う様に頬を合わせていると、先輩の蜂蜜色の髪の隙間からキラリと光るアクセサリーが見えた。





「先輩…それ、ピアスですか？」


「おう。似合うだろ？」


「…チャラいです。」


「っんだと!?」





轢くぞ！と威圧感の無い声で怒り、私の頬が左右にぐい〜っと引っ張られる。

痛い痛いと抗議の声を挙げると、先輩は悪戯っ子の様な笑みを湛えて漸く離してくれた。





「…ずるい。」


「あ？何が。」


「…ピアスが。」





大学生になって、どんどん大人になっていく先輩。

私と先輩の歳が同じになる事はないし、一緒に大人になる事もない。

私の前をずっと歩く先輩に置いていかれやしないか、私はそれをいつも不安に思っていた。


不安さを見せない様にいじけてむくれて見せる私の頭を撫でると、先輩は仕方ないなと言う様に溜息を吐いて、私の耳に触れた。





「お前が卒業したら、俺が開けてやる。」


「…本当ですか？」


「ああ。だからそれまで気長に待ってやっから…俺から離れんなよ、YOU。」







彼のピアスは、未来の約束。









「俺がお前を置いていく訳ねーだろ、刺すぞ！…俺にここまで言わせたんだから、明日もちゃんと来いよ。」


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