オットーだらけ

8種類の結果パターン

オットーの部屋、とオットーだらけと題名迷いました(どうでも - 2024年4月26日

「……あのね、ありがとう」
彼女のその言葉は少し唐突だった。


村の花畑に二人で散歩に来ていた。柔らかい日差しの中、丸太に座ってとりとめもなく話したり、黙ったり。その流れだから、考えてみればあまり唐突ではなかったのかもしれないけれど。


「どうしたんですか、YOU」
うららかな心地のまま問うと、YOUは絡めた指先に目を落としたまま呟くように言った。
「いまが凄く幸せなの。この幸せはオットーがいなければなかったもの」
だから――とYOUは顔を上げ、オットーと目を合わせた。


「側に居てくれて、ありがとう」



それから真剣な顔を崩さないまま「好きで居てくれてありがとう」だの「いつも撫でてくれてありがとう」だの言い募ったのちに、YOUはふわりと微笑んだ。




「それからね、――生まれてきてくれて、ありがとう」



オットーを生み育んだ大地と星々に感謝します、と絡めた指を自身の胸に引き寄せて森羅万象に祈りを捧げる彼女の心臓の鼓動が伝わってきて。

「僕も同じです……いや、YOU以上に、YOUがこの世に生きてあることに感謝しています。――ありがとう」

そっと抱きしめた。片手はYOUの指に絡めたままだから、もう片方の手で。
ゆっくり肩を引き寄せると、オットーの胸に顔を埋めるままになっていたYOUが顔を出した。

至近距離で紅潮した頰で微笑う彼女が涙がにじむほどに愛おしくて、オットーは静かに唇を近付けた。

ーー
オットー誕生日おめでとう。物凄く愛してます。おたおめ更新です。少し短めだけど誕生日じゃなくてもいちゃつけるように考えましたよ。短かめなので改行増し増しですが。

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