【文スト】君を想う空の下で僕は詠う(日替わり)

28種類の結果パターン

あなたは覚えていますか。(リクエスト募集中です) - 2024年4月18日

福沢諭吉(猫)

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今年の夏も終わりを告げ、落ち着きを取り戻しだした九月の半ば頃。
吹く風は秋を纏い、肌を浅く刺していく。
迎えた秋を歓迎するように、青い葉もそろそろ色付きはじめ、風にゆらゆらと揺れてはひらりと舞うのを繰り返していた。

そんな風情ある風景をぼんやりと眺め続けること数時間。

「にぼしはいるか？」

それも社長の膝の上で←

「にゃあ」

先に云っておくが私は人間である。
太宰から貰ったジュースで猫になってしまったのだ。

読者の皆様には悪いが、このご都合主義。許してほしい。

「寒くはないか？」

いつもの仏頂面で聞く社長に「寒くない」という意味を込めて喉を鳴らしてみる。

「そうか。お前は人懐っこいし毛並みもいいな。飼い猫か？」

いいえ。貴方の会社の社員ですよ。
ある意味あってるけど。

それにしても、社長のこんな気の抜けた顔初めてみたなぁ。
私までうとうとしてきちゃう。

「んにゃぁぁ」

心地よい秋のリズムを耳に、溺れるような眠気に囚われる。
たまにはこんなふうに、季節の巡りに身を任せてみてもいいのかもしれない。

もう少し。

あともう少し、この時間が続きますように。

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