メカクシ団でボカロ曲!!!!(日替わりver)

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リク募しゅ｢ヒビヤ)リクくれる人いるわけないよ、おばさん｣ - 2024年4月25日

脱獄2【カノ&セト】






くしゃり、とポケットにいれていた紙が音をたてる。

それは、彼が書いていた飛行船の設計図。

目の前にある、この飛行船。

この景色を見たのは久しぶりだな、と僕は口をこぼす。

昔、ずっと住んでいたこの牢獄に。

彼は元気にしてるだろうか。

もう、警備のほうに行ってるだろうけど。



｢さて、そろそろ飛ぼうかな｣



彼との夢を果たすべく、乗ろうとした。

パァン、と後ろから発砲する音がした。

すぐさま僕は振り返る。

そこには、あのときから全く変わっていない。いや、雰囲気だけは変わったかな。

ちゃんといた。セトが。



｢久しぶりだねぇ…。背も僕より大きくなって、しかも警官になってだなんて…｣


セト｢黙れ｣



雰囲気だけじゃないね。言葉遣いもだ。

まあ、警官だからね。

だけどさ。これは卑怯だよね。

僕は何も持ってない。銃も、ナイフも。なのに彼は銃を二丁ぐらいかな。

片方を手に持って、もう片方は隠してる。

まあ、僕は勘が鋭いからね。わかるんだ。

次は何処に撃つかなんて、わかりきっている。

絶対に彼は僕のことを撃たない。

無理だ。今も手が震えてる。

さっきのも、絶対外して撃った。

僕の顔を掠りもしなかったからね。

僕は、飛行船に乗る。

後ろから｢止めろ｣とか聴こえるけど知るものか。

だって、彼が言ったんじゃないか。

僕はエンジンをかけた。








彼の設計した飛行船は見事にとんだ。

警告のサインを鳴らしながら。

僕はそれに気を止めず高度をあげた。

こんなこと"最初から"わかっていたから。

エンジンがヒートして、機体は真っ逆さまに落ちていく。

最期にみた君の顔は、泣いていた。









｢止めた…のに…｣


下には赤が広がっていた。

機体がああなることは彼も知っていた筈だ。

あれが失敗作だったことも。

なのに、何で君は。



｢あんなもの、造って飛んだんすか…っ｣



俺は、彼をこんな目にあわせたくてつくったんじゃない。

あの約束を果たそうとして…なのに…。




俺は、独り泣いた。

後悔という波に、のまれながら。

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