| 
CSS 無心に物事を観察して真実を理解することはまだできない。そのうちできるようになるかなあってきらきら光る何かをぼうっと見てたって、現実はなんにも変わらない。
水鏡は遥か遠く、自分の足で追い掛けなきゃ見失う。
逃げ水みたいにゆらゆら幻想に霞んでく。
わかってるよ、たぶん。
でも朧月に似てぼんやりした停滞は、沈んでしまいそうなほど楽なんだ。
いつか、あの頃は酔狂だったんだねと笑えるのでしょうか。
もしそのときまで生きられるのなら、どうか今の自分が大嫌いな私にならないように。
☆
suikyo-actual
結果一覧
ー─ー─ー
☆ 評価に
☆ white deep water
☆マシュマロと迷子
☆其れが不協和音だとしても
☆水響アイソレーション
☆
こんにちは、
初投稿の作品です。
飽くまでも、現実寄りの御伽噺。
何か心に響くひとかけらとなれば幸いです。
5種類の結果パターン
今日の結果。 - 2024年4月25日
水響アイソレーション
ー─ー─ー
真冬の温水プールは寒い。
もうこれくらいでは風邪なんてひかないだろうけど慣れるまではとても寒い。
私はこの感覚がどうしようもなく好きだけれど、隣でふわあっと浮き輪に乗っかっている少女は大嫌いだと言っていた。
「YOU、プール行こう」
「えっなにもっかい言って」
「だから、温水プール行こうよ。学年末テスト終わったし」
私が聞き返したのは難聴だからって訳じゃない。
茉湖の嫌いな季節は夏だ。
アイスは好き、風鈴の音も好き、向日葵も好き、夏休みは大好き。
彼女が大嫌いなのはただ一つ。
「茉湖が水泳好きになったってことはないよね」
「ふへへ」
なんとも風変わりな返事というか笑い声。
見事なまでの通常運転に脱力して、ビート板を枕代わりに頭に敷いた。
「ねえそれたのしい？」
「そこそこに」
「へーえ」
茉湖も浮き輪の上に頭を載せた。
ふたり怠惰に浮かぶ。
すごく楽なんだけど、なーんか不安定。
落ちて溺れたら死ぬのかな、と縁起でもないことが思考回路の端を掠めた。
ああでも、死ぬのはやだな。
茉湖がびっくりするし計り知れない数の人に迷惑掛けるし。このプールの評判も、もしかたら私が通ってる学校の評判も悪くなるかも。
家族だってクラスメイトだってストレス溜まるかな。
それからこんな私なんかのためにいろいろしていただくのは勿体無い気がする。
じゃあ、泡になって消えちゃったらいいのかな。
全世界の人の記憶から削除されたら誰も迷惑被らないんじゃない。
飛沫になった少女。
ほんのちょっと綺麗って思うのは間違いですか。
水の中で響くみたいにそこはかとない孤独。
なんていうんだろ、世界との淡い別離、切り離されてる。
残酷な破線なんてみえないよ、曖昧模糊。
「あ、もうちょっとで休憩って言われる」
茉湖の呟きとほぼ同時に、アナウンスが流れ出した。
今度はビート板を頭に載せて、浮き輪をペットの犬のように引き摺っている茉湖とプールサイドに上がる。
あのね、独りではないのに息苦しい。
我が儘だね子供みたい。
だからさよならしたいんだけどさ、駄目だよね。知ってる、つもり。
「ねえYOU」
「なに？」
「これから先どんなにやなことがあってもあと一万回ここ来ようね」
「……うん」
だから今はちょっとだけ笑う、逃げ出す代わりに。それで、終わり。
この作品には5種類の結果があります
お気に入り登録で明日違う結果をチェックできます
ブログに結果貼り付け：
この作品をお気に入り追加
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような占いを簡単に作れます → 作成
この占いのブログパーツ
