【薄桜鬼】私は（彼の素顔を）見た！No.2 〜斎藤編〜

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YOUさんの見た斎藤さんの素顔とは・・・？ - 2024年4月26日

変態疑惑な彼(学パロ)



「なーなー、一君！一君は女のどんなとこが好きなわけ？」

「どんな、とは」

「例えば新八っつぁんみたいに胸がでかいのが好きとか、左之さんみたいに家庭的なのが好きーとか、何かないの？」

「つまりは好みの女ということか」


休日部活の休憩時間、斎藤君と藤堂君が会話をしていたから耳をすませてみれば、議題は斎藤君の好きなタイプについて。絶賛片思い中の私にとってこれほど美味しい話はない。


「・・・女のどこが好きだ、と言われてもな。―――強いて言えば耳だな」

「み、耳！？どういう事！！？」

「触れると少し形が変わるところや、熱すぎず、冷たすぎない温度もいい。・・ああ、あと耳朶(みみたぶ)の感触だな。あれは人によって個人差があるが柔らかめで、恵比寿(えびす)耳でない方が俺的には―――」

「わ、わかった！わかったからもういいよ！」


どうやら私は斎藤君のすごい性癖を聞いてしまったらしい。

よりによって耳か・・・私の耳ってどうなんだろう。


藤堂君の悲鳴のような声が聞こえた気がしたが、何気なく自分の耳を触っていると、藤堂君との会話を終えた斎藤君が真横に来て座っていた。


「牧原、ちょっといいか」

「あ、うん・・ん？斎藤君！？」

「ああ、どうした？」

「な、なんでもないよ」


「そうか」と呟くと斎藤君は試合中のような真剣な顔で「耳を触らせてくれ」と言った。
・・・え、耳？


「ちなみに、なんで？」

「今いい耳を探している」


―――いい耳って何だよ。


「平助のは思ったよりも硬くてな。牧原のは形もいいし柔らかそうだと思って」

「・・・まあ、いいけど」

「本当か！？―――では、失礼する」


ふにふにふにふにふにふにふにふにふにふに

何が楽しいのかわからないけど、斎藤君は食い入るように私の耳を見つめて触っている。

そしてなにやらぶつぶつと呟いているようで、少し耳をすませてみた。


「これだ。これぞ俺の探していた理想の耳だ――！」

「あの、斎藤君？」

「牧原、あんた(の耳)が好きだ！―――俺と添い遂げてほしい！」

「えっ、えぇぇぇえええ！！？」

「む、俺では不満か？」

「耳への愛でのお付き合いは不満しかないって！！というか結婚！」




片思いは実るかと思いきや、あまりの斎藤君の耳への執着で、勢いで断ってしまった。



・・・だが、その後も斎藤君の求婚は治まることはなく、私と彼の追いかけっこはいつからか学校の風物詩となった。

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