【コラボ】 *PATIENT* 【ROC】

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例え待っているのが報われない未来でも、

最後の時まで君と一緒にいたい。

そう、私は願う。

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あにゅさん
→今回も華麗にお二人の足を引っ張ってきました。いやぁでも楽しかったです！第三弾があることを期待ですね(ﾁﾗｯ)

紫乃さん
→前回とは名前が変わっての参加ですが、こんにちは。
　まさかの二回目ということで楽しく書かせていただきました。
　共通の好きなものを書きあえる仲間っていいですね。いろいろな人に、ありがとう!

モノクロさん
→今回もやらせていただいちゃいました!!
　何がって、ほんとに毎度ボクが１番楽しみにしてます、よっしゃ。
　おふたりには感謝感謝の極みでございます

※お名前をお借りしています、ご本人様方とはいっさいの関係はございません
※検索避けなるものをしております

*前回のコラボ*
【コラボ】うたをうたえば。【ROC】

http://shindanmaker.com/540469
元ネタはこちらの診断メーカーより。病気の概要はご想像にお任せします。

6種類の結果パターン

ーーそんな君さえ、愛おしい。 - 2024年4月25日

*017号室*

＿＿＿ここに夏代くんが入院したと聞いたのは、５年前の夏だった気がする。

控えめに７回ノックする。多いのは気のせいだ、ラッキーナンバーなんだもの

『入るよ?』

しばらく間が空いてから「嫌だ」と帰ってきた。
また泣いてるんだね、きっと

「嫌だって言ったじゃんか」
『知らないよぅだ』

お見舞いに持ってきた新しいイヤホンとコーラを机に置く。
彼の頬には透き通る滴が残っていた。

肩に手を置いて顔を寄せてなめとる。冷たくて、まるで、雨水

＿＿＿涙がしょっぱくなくなったのは、４年前の春だった気がする。

『包帯緩んでる』
「直して」
『わかってるよ』

あぐらをかいて白いベッドの上にいる夏代くんのそばに腰かけて、首の包帯に手を伸ばした。
…あれよあれよといつの間にか、私の両手は包帯を通り過ぎて彼の首にまわっていた

やさしく交じりあう。

＿＿＿初めて体を重ねたのは、３年前の冬だった気がする。

あのころはまだ、一時退院なんてのもできるくらいの病状だったのか
それともすでにカウントダウンは始まっていて、気休めの退院許可だったのか

どっちにしろ夏代くんはもうすぐ取り込まれてしまう

まだまだ続く縋るような温いキスに溺れながら、窓の外に見える晴空を睨む。
お前なんか、
お前さえいなければ、お前なんか

「よそ見、してんな、」
『ごめん…』

空色の目が必死に見つめてくる。もう片方は向日葵色だ。青と黄色のオッドアイ。
彼は鏡を見なくなったほど嫌がっているけれど、私はとてもきれいだと思う。

＿＿＿夏代くんの片目が空模様になったのは、２年前の秋だった気がする。

それまで口の中を巡っていた舌が出て行って顔が離れたと思ったら
突然突き飛ばされ、彼が口元を抑えてうずくまる。
苦しそうにむせこんで、掠れた声で「水」と言った。

手にべとり纏わる血

靴を脱いで夏代くんに馬乗りになるように体重をかけて、唇を押し付けた。
再度離れようと押してくるのを片手で阻止しながら彼の口内の血をなめとっていく。

「やめ、ろ、たのむ、から、…っ」

「おま、にっ…うつった、ら、どうす」

それでもかまわない。むしろそれがいい。私はきみといっしょに“空”になりたい。

＿＿＿夏代くんの寿命が今年の夏だとわかったのは、１年前の夏だった気がする。

ところでもうすぐ梅雨が明けるらしい

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モノクロメロディー。